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引用元: http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1421750928/

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250: オプ速さん 2015/01/28(水)20:26:31 ID:Hya
キモオタ「そうですなぁwww何を話せばいいのやらwww」

ティンカーベル「私達、いろんな所冒険してきたからね!いろいろお話しできるよ!」フンス

ラプンツェル「そうなんだ!私は物心ついてから一度も塔から出たことが無いから、外の世界ってどうなってるのかすっごく興味あるんだよねー」ワクワク

キモオタ「なるほどwww思い出すと、本当にいろんな所に行きましたな・・・最初はシンデレラ殿の所でしたな、かぼちゃの馬車でお城まで行ったりwww」コポォ

ラプンツェル「馬車!知ってる、見たこと無いけど・・・小さな部屋みたいな乗り物に車輪がついてて、それを馬で引っ張るんでしょ?」ワクワク

ティンカーベル「だいたいそんな感じだよ!それは魔法の馬車でね、かぼちゃで出来てたの!」

ラプンツェル「かぼちゃで・・・!塔の外ではかぼちゃはただの食材じゃなくて、乗り物にもなるんだね!?やっぱり塔の外はすごいね!」ワクワク

キモオタ「ちょwww限りなく特殊なケースでござるからwww本来はそんな使い方しないでござるwww」

ラプンツェル「そうなの?人参とかジャガイモの馬車は?」

キモオタ「ないないwwwないですぞwww流石に外の世界にもありませんなwww」

251: オプ速さん 2015/01/28(水)20:38:05 ID:Hya
ラプンツェル「じゃあさじゃあさ!いろんな所を旅したなら友達もたくさん居るの?ティンクとキモオタにはさ」ワクワク

ティンカーベル「もちろん!えっとね、最近王妃になったシンデレラとー、いっつも上半身裸の裸王とー」

ラプンツェル「いっつも上半身裸!?塔の外ではそれが普通なの?塔の中でも下着姿のままいるとママに叱られるのに、やっぱり外の世界はすごいね!」

キモオタ「いやいやwwwそれは裸王殿だけでwwwそんな人間は滅多にいませんぞwww」

ティンカーベル「しょっちゅう居ても困るけどね!それとあとクールで可愛い赤ずきんとすっごく優しい赤鬼とー」

キモオタ「貧しくとも健気で努力家なマッチ売り殿にヘタレイケメンの桃太郎殿www他にも居ますがwwwみんな旅の途中に親しくなった仲間でござるwww」

ラプンツェル「そっかー・・・外の世界って、楽しそうだね!友達と一緒に冒険できるんだもんね!」ニコニコ

ラキモオタ「ラプンツェル殿は塔の外の世界に行きたいのですかな?www」

ラプンツェル「えー?そうだなぁー・・・うん、行きたい。行きたいけど・・・」

252: オプ速さん 2015/01/28(水)20:57:26 ID:Hya
ラプンツェル「ママと約束したからね、塔から出ないって。でも、塔の外には私が知らない世界がずーーーっと遠くまで広がってる!その広い世界のどこかにはママの体の痛みを取り除いてくれる、そんな道具だってきっとある!」

ラプンツェル「今はまだママが許してくれないけど、いつか私が塔の外に出ることが出来るなら・・・ママの痛みを和らげる道具を探したり、この目でいろんな物を見てみたい!」

ラプンツェル「塔の中での暮らしもすごく楽しいけれど、やっぱり外の世界にも行ってみたいんだ。その時は、一緒にいろんな所に連れてってくれる?ティンク!キモオタ!」

ティンカーベル「それは・・・うん!いつか、塔の外に出たときはね!」

キモオタ「そ、そうですなwww」

キモオタ(とはいえ・・・お話の筋としては、ラプンツェル殿が塔を出るときはゴーテル殿と決別する時・・・ティンカーベルもそれをわかっているでござろうに)

キモオタ(しかし、余計なことを言って・・・外の世界へ希望を持っているラプンツェル殿の笑顔を曇らせるには嫌ですな)

ラプンツェル「あっ!私ママの話しちゃったけど、二人は私のママ知らないよね?」

ティンカーベル「ううん!ここにくる前に会ったよ!ねっ!キモオタ!」

キモオタ「そうですぞwwwラプンツェル殿の自慢話を聞かされたでござるwww随分と娘好きな母上殿でしたなwww」コポォ

253: オプ速さん 2015/01/28(水)21:09:52 ID:Hya
ラプンツェル「私の自慢?やだなぁ、もう!自慢するような所無いのにー・・・ママ私の事なんて言ってた?」

ティンカーベル「えっとねー!ラプンツェルの歌声は世界一美しいって言ってた!」

キモオタ「あとはラプンツェル殿の作る料理は世界一おいしいwwwラプンツェル殿の刺繍の腕にはどんな仕立て屋も適わないwwwラプンツェル殿の絵画にはどんな絵描きも腰を抜かすwwwあとは・・・」

ティンカーベル「ダンスのセンスがすごいっていうのと!あとはチェスもオセロも右にでるものは・・・」

ラプンツェル「ちょ、ちょっと待って!もういいよ!ママはいつもそんな調子なんだから・・・恥ずかしいよ、もぅ!」テレテレ

ティンカーベル「ラプンツェル照れてるね」ヒソヒソ

キモオタ「そりゃあそうでござろうwwwもはや褒め殺しですからなwwwまぁすべてゴーテル殿が言っていたことなのでござるけどwww」ヒソヒソ

ラプンツェル「でもね!料理も裁縫も教えてくれたのはママなんだよ、だから本当にすごいのは私じゃなくてママなの!ママは優しいしなんだって知ってるしどんなことでも教えてくれるし・・・」

ラプンツェル「私の自慢のママなんだから」フンス

254: オプ速さん 2015/01/28(水)21:24:41 ID:Hya
キモオタ「ちょwwwゴーテル殿と同じことを言ってますぞwww」

ラプンツェル「えっ!?そうなの?」

ティンカーベル「うん、ゴーテルはラプンツェルは自慢の娘だって言ってた!」

ラプンツェル「そっか・・・なんだか照れるね、それ・・・」テレテレ

ティンカーベル「そんなことないよ!すっごく仲がいい親子で羨ましいよ!」

キモオタ「そうですなwww確かラプンツェル殿は養子でしたなwwwしかし、とてもそうは思えないwww」

ティンカーベル「バカ・・・っ!そんな事言わなくていいじゃん!」ゲシッ

キモオタ「ファッ!?」

ラプンツェル「あははっ、いいよティンク!私とママに血の繋がりが無いのは本当のことだしねー」

ティンカーベル「ごめんね、キモオタはいい奴なんだよ?でもね、たまにこういう要らないこと言うんだよ・・・!あとで怒っとくから!」

キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿wwwしかし、気にしていたとしたら申し訳なかったですなラプンツェル殿」

ラプンツェル「いいよいいよ!気にしてないし。もしかして外の世界では血が繋がって無かったら家族じゃないの?」

キモオタ「いや、そんなことはないでござるよ。家族かどうかに血縁かどうかは関係ござらん」

ラプンツェル「でしょ?だから私のママはゴーテルママだけ。それは塔の中でも外でも関係ないんだよ」ニコニコ

255: オプ速さん 2015/01/28(水)21:38:29 ID:Hya
ティンカーベル「ラプンツェルはゴーテルの事が大好きなんだね」

ラプンツェル「うん、大好き!優しいもん!本当は一緒に暮らしたいけど、私はここを出られないし、ママに塔での暮らしはちょっと辛いだろうし、農作業もできないから難しいんだよね」

キモオタ「塔に出入り口があればいいでござるのにwww」

ラプンツェル「それはママが駄目だって言うんだよね、心配しすぎだよー」

ティンカーベル「でも私はちょっと羨ましいなー!私はお母さんとかお父さん居ないからねー」

キモオタ「そ、そうだったのでござるか?だからさっきあんなに怒ったのでござるね・・・?」

ティンカーベル「あっ!違うよ?そもそも妖精は人間みたいにコウノトリが赤ちゃんを運んでくるわけじゃないからね?だからお父さんやお母さんっていう存在そのものが無いんだよ」

ラプンツェル「そうなんだ、初めて知ったよ!じゃあ妖精ってどうやって生まれるの?」

ティンカーベル「私達、【ピーターパン】の世界の妖精はね、人間の赤ちゃんが産まれて初めて笑ったときに・・・その笑顔から産まれるの!」

ラプンツェル「そっかぁ・・・無垢な心と同時に妖精が産まれるんだ、なんだか素敵だね!」

キモオタ「夢があるというか何というかwwwなんというファンタジーwww」コポォ

256: オプ速さん 2015/01/28(水)22:00:01 ID:x3m
・・・二時間ほど後

ラプンツェル「私の番ね!ここで、チェックメイトー!」フンス

キモオタ「ぶ、ぶひゃっ!?いつの間にか包囲されてますぞ・・・!負けましたぞwww」

ティンカーベル「キモオタ・・・チェスはちょっと自信があるとか始めに言ってたのに!」ケラケラ

キモオタ「ネットチェスではかなりのレートなのでござるがwww」コポォ

ラプンツェル「次は何して遊ぶ?オセロやる?それとももっかいチェスする?」ワクワク

キモオタ「そうですなぁwwwしかしそろそろいい時間でござるし、我々はそろそろ帰りますかなwww」

ラプンツェル「えぇっ!?友達って寝ないで遊ぶものなんじゃないの!?」ガーン

ティンカーベル「そういう時もあるけど、今日は急に押し掛けちゃったしそれはまた今度にしようよ!」

ラプンツェル「えー・・・せっかく遊べると思ったのにー」ムスッ

キモオタ「まぁまぁwwwまた明日の夜に来ますのでwww」

ラプンツェル「わかった、じゃあ約束だよ!キモオタ!ティンク!明日の夜、絶対だからね!」

ティンカーベル「うん!約束!それじゃあね、ラプンツェル!
おやすみ!」ファサー

キモオタ「それではwwwまた明日にwww」フワッ

ラプンツェル「うん!じゃあねー!おやすみー!」ニコニコ

264: オプ速さん 2015/01/29(木)19:51:13 ID:SZA
翌日・夜
ラプンツェルの塔 最上部の窓

ラプンツェル「ルルルールールルルー♪」

ラプンツェル(ティンクとキモオタまだ来ないかな~)ワクワク

ラプンツェル(今日はママがお昼に来てくれたし、ティンクとキモオタも夜に来るって約束したし!嬉しい一日だなぁ~)ウキウキ

ラプンツェル(部屋もちょっと片づけたし、ケーキも焼いた)

ラプンツェル(友達と遊ぶのってすごく楽しくてあっという間だけど、待ってる間って一日より長く感じるなー)

ラプンツェル「ラララーラーラララー♪」

ラプンツェル(まだかなー、まだかなー)

ガサッ

ラプンツェル(あっ、塔の下に誰か居る!二人が来たのかも!)ワクワク

265: オプ速さん 2015/01/29(木)20:05:40 ID:qKS
ガサッ

「ラプンツェル!君の髪を下げてくれ!」

ラプンツェル(あれ?どうしたんだろ、飛べないのかな?昨日は飛んできたのに)

ラプンツェル(・・・そっか!キモオタが昨日より太っちゃって飛べなくなったのかも!)クスクス

ラプンツェル(そういうことなら仕方ないね!手伝ってあげよう!友達だもんね!)

ラプンツェル「わかったー!いくよー?それっ!」ファサッ

シュルシュルシュルッ

ラプンツェル「暗くてよく見えないけど、下まで届いたー?」

グッグッ

ラプンツェル(手応えがあるし、ちゃんと届いたかな?)

グッグッ グッグッ

グッグッ グッグッ

ラプンツェル「あれ・・・?キモオタでもティンクでもない・・・!」

スタッ

王子「ようやく・・・あの歌声の主に出会えた・・・!なんと美しい女性だ・・・!」

266: オプ速さん 2015/01/29(木)20:21:13 ID:qKS
ラプンツェル「・・・・・・」ジーッ

王子「まずは勝手に上がり込んだ非礼を詫びなければ・・・すまない。だが私はどうしても・・・」

ラプンツェル「ピカピカの勲章に・・・見ただけでわかるくらい上等な布地だ・・・!派手な服だね!」ニコッ

王子「えっ?そ、そうかい?確かに普段着ではないからな、でも王族の衣類というのはだいたい派手なものだよ」

ラプンツェル「オーゾク?えっと、それって確か・・・そうそう、国で一番偉い人の家族だ!あなたがその王族なの?」

王子「申し遅れた、名乗らせて頂こう・・・!私はこの国の王子だ、よろしく頼む」ペコッ

ラプンツェル「私はラプンツェルだよ!よろしくね!おーじ!」ニコニコ

王子「あぁ・・・しかしラプンツェル。君は私を咎めないのかい?私は君を騙して塔に上がり込んだというのに」

ラプンツェル「えー?いいよー別に!だっておーじも私の友達になってくれるんでしょ?」ニコニコ

王子「え?あ、あぁ・・・友達か・・・君さえ良ければ」

ラプンツェル「うん!じゃあおーじも私の友達ね!お茶入れるから上がって上がって!」ウキウキ

267: オプ速さん 2015/01/29(木)20:36:11 ID:qKS
ラプンツェル「おーじ!その辺座って座って!今、紅茶入れるから!」ウキウキ

王子「あ、あぁ・・・わかった」

王子(しかし、追い返されても仕方ないと思っていたがもてなしまで受けられるとは・・・。ラプンツェルは私が王族だから文句が言えないのだろうか・・・?)

王子(どちらにしろ、あの美しい歌声の主はラプンツェルに違いない。私としては彼女と親しくなりたい。これは願ってもない機会だ)

王子(しかし、彼女は出入り口の無いこの塔で生活しているのか・・・)

ラプンツェル「フンフーン♪」カチャカチャ

ラプンツェル(あっ、ティーカップが無いんだったっけ。スープ皿と花瓶は二人が使うし、なにかないかな・・・カップの代わり・・・あ、ジャムの空き瓶があるや、これにしよ!)

ラプンツェル「おーじ!紅茶なんだけど、ジャムのでいいー?」ヒョコ

王子「ジャムの・・・?」

王子(あぁ、ロシアンティーというものだな?確か小皿のジャムを舐めながら飲むのが作法だったな・・・)

王子「あぁ、それで構わないよラプンツェル!」

269: オプ速さん 2015/01/29(木)20:42:36 ID:qKS
ラプンツェル「はい!じゃあおーじの分ね!おまたせ!」

コトッ

王子「!?」

王子(どういう事だ!?ジャムのって言うからロシアンティーだと思いきや・・・空き瓶に紅茶が・・・あっ、ジャムの空き瓶かこれ!?)

ラプンツェル「今日はちょうどケーキも焼いてたからこれも食べてね、おーじ!」コトッ

王子「う、うむ・・・頂くよ(ケーキは普通だな・・・)」

王子(おそらくカップをまとめて割ってしまって、ティーカップが無いんだろう・・・だとしたら指摘するのは失礼か)

カチャッ

ラプンツェル「ふぅー、おいしいー・・・やっぱり紅茶は暖まるねー!」ズズー

王子「君の分はちゃんとティーカップなんだね!?」ガターン

270: オプ速さん 2015/01/29(木)20:54:23 ID:qKS
ラプンツェル「そうだよ?あっ、ティーカップが足りないからおーじのはジャムの空き瓶にしたんだ!それで我慢してね!」ニコニコ

王子「あ、あぁ・・・そうなのか・・・なら仕方ないのか・・・?」

王子(普通は客人にカップを使うんじゃないのか・・・?いや、さすがに押し掛けておいて図々しいな。実はやっぱり歓迎されてないのか・・・いや、しかし・・・)

ラプンツェル「おーじ!ちゃんとケーキも食べてね!あと私、塔の外のお話聞きたいなー」ワクワク

王子(彼女に悪意があるようには見えない・・・)

王子「あぁ、構わないが・・・君は塔の中で暮らしているんだね?出口がないけれど、どうやって外へ?」

ラプンツェル「外には行ったこと無いの、物心ついた頃からずっとねー」ズズー

王子「出たことがない?この塔から一度も?」

ラプンツェル「うん!ママが心配性なの、塔の外は危険だからーって!」

王子「なるほど・・・」

272: オプ速さん 2015/01/29(木)21:08:04 ID:qKS
王子(だとしたら、これはマズいな。箱入り娘の部屋に男が上がり込んだなど・・・王子とはいえ許されないだろう)

王子「君の両親はどんな人なんだい?」

ラプンツェル「んー?パパは居ないんだー、それでねママは魔女だよー」モグモグ

王子「魔女!?さらっと言ったけど、大事ではないのかそれは!」ガターン

ラプンツェル「えー?外の世界では魔女珍しいの?」

王子「珍しいもなにも・・・普通は出会うことすらできないよ」

ラプンツェル「そうなんだ!私のママはやっぱりすごいんだね!」ニコニコ

王子「ああ、相当すごい方だろうね・・・君の母上は。それと、どうやら君はお母さんが大好きなようだね、ラプンツェル」

ラプンツェル「うん!大好き!」ニコッ

王子「・・・そ、そうか」ドキッ

王子(可愛い・・・!)

273: オプ速さん 2015/01/29(木)21:25:27 ID:uZm
ラプンツェル「そういえばおーじはどうしてこの森に要るの?なにか用事でもあったの?」

王子「・・・・・・」

ラプンツェル「どうかした?おーじ?」

王子「いや、君には話しておきたい。聞いてくれるかい?」

ラプンツェル「うん!」

王子「この国の王には子供が一人しか居ない、それが私だ。だから次期国王は私・・・だから王は私にはとても厳しくてね。もちろんそれが王なりの愛情であることも立派な王になるためには避けられないということもわかってはいるんだが・・・」

ラプンツェル「うんうん」モグモグ

王子「そのうち嫌気がさしてきてね。王は口を開けば「お前はこういう立ち居振る舞いをすべきだ!」「お前は私のいうとおりにすべきだ!」という具合でね。私は自分で物事を決めることすら許されなかったよ、洋服も食事もね、全てのスケジュールを王に管理されていた」

ラプンツェル「自由にできなかったの?塔の外はなんだってできる、自由な世界じゃないの・・・?」

王子「いや、本当はそうあるべきだ。でも私の場合は違ったんだよ」

王子「私は広い世界に居ながら、自由なんて一切無かった。王の目の届かないところにいても結局は王子だ、自分の好きな行動なんて選ぶことができなかったんだよ」

274: オプ速さん 2015/01/29(木)21:39:17 ID:uZm
ラプンツェル「それはつまんないねー。私は塔から出られないけど、好きなものを食べて好きなことを、自分がやりたいって思った事をしてたからよくわかんないけど・・・」

王子「そうなのかい?ハハッ・・実におかしいこともあるもんだ、塔の中の君はなにより自由で外の世界の私はしがらみだらけの不自由な生活だっていうんだから」

ラプンツェル「それで、どうしたの?おーじは」

王子「王が言うんだ「お前にふさわしい姫を探してきたから結婚しろ」とね、もう私は付き合いきれなくなって反抗したよ。滅茶苦茶怒鳴られて、殴られたけど私も食い下がってね。
渋々だったけれど王から結婚相手を捜す旅をする許可を貰った。他にどうしてもやりたい事があったから、旅にでられたのは好都合だったよ」

ラプンツェル「おーじも大変なんだね、いろいろとさ!でさ、王寺がやりたいことってなに?」モグモグ

王子「あぁ、私の母親・・・王妃は数年前から病を患っていてね。今日明日とも知れない命だという訳ではないが・・・一年のほとんどを寝室で過ごさざるを得ない、病弱なんだ。昔からね」

ラプンツェル「・・・もしかして!」ガタッ

王子「ど、どうしたんだラプンツェル」

ラプンツェル「おーじも探してるの!?ママの病気が治る方法!」

王子「あ、ああ。そうだ、探している。だが・・・なかなか見つからないんだ。もしや、君も母上の病気が治る方法を探しているのか?」

275: オプ速さん 2015/01/29(木)21:55:56 ID:uZm
ラプンツェル「そうなの!私のママ、最近体が痛いって言ってて・・・辛そうだから私がなんとかなる方法を探そうと思って、塔の外に出たいって言ったんだけど・・・駄目だって言われちゃった」

王子「大好きな母上のために・・・君は優しいね、ラプンツェル」

ラプンツェル「優しいのはおーじだよ!それにママを大切にする人、私大好きだよ!だから王子のことも好き!」ニコニコ

王子「そ、そうか。それは嬉しいな・・・!」

ラプンツェル「ねぇおーじ!一緒に行こうよ!私のママとおーじのママを助けられる方法が無いか、一緒に探しに行こうよ!」

王子「それは構わないが・・・しかし、母上から塔の外にでることは禁止されているんじゃないのか?」

ラプンツェル「そうだった・・・うーん・・・それはそうだけど・・・むーっ・・・」

王子「・・・・・・」

ラプンツェル「なんとかならないかな、おーじ?」

王子「そうだな・・・君は母上の為を思って旅にでるんだろう?それならば、口では駄目と言っていても母上はきっと許してくれるよ。君の優しい心を母上は知っているんだから、叱られないんじゃないか?」

ラプンツェル「そっか・・・そうだね!ママが元気になる方法見つけてきたら、きっと塔を抜け出しても怒られないよね!きっとママは喜んでくれるね!」ニコニコ

ラプンツェル「決めたよ!私、おーじと一緒に旅にでる!約束だよ!おーじ!」

王子「あぁ、約束だ!絶対に私達の母を救って見せよう、ラプンツェル!」

277: オプ速さん 2015/01/29(木)22:15:59 ID:uZm
ラプンツェル「じゃあさ、いつ行く!?ねぇねぇ、おーじ!」ワクワク

王子「そうだな・・・ラプンツェルが塔から出ないことには話にならないからな・・・まずは梯子を作るかなにかして、出口を作らないといけないな」

ラプンツェル「じゃあこうしよ!明日からおーじは毎晩ちょっとずつ布切れを持って遊びに来てよ!それを私がつなぎ合わせて梯子にするから!」

王子「わかった、持ってこよう。では梯子が出来次第出発だな!」

ラプンツェル「うん!楽しみだね!ママ達が喜んでくれるの!」

ワイワイ ワイワイ

キモオタ「どうやら王子殿が先に来ていたようですなwwwゴーテル殿の自慢話で来るのが遅れてしまいましたがwww結果オーライですなwww」

ティンカーベル「ねっ!王子とラプンツェルはいい雰囲気だしね!」

キモオタ「我々も行きますかなwww遊びに来ましたぞwwwラプンツェル殿www王子殿www」コポォ

ティンカーベル「えっ!?あの雰囲気の中に混ざるの!?今日はそっとしといてあげたほうが良かったんじゃないの!?」ガーン

ラプンツェル「あっ!ティンク!キモオタ!遅いよー!」

キモオタ「申し訳ないwww二人で何の話をしていたのですかなwww」コポォ



ティンカーベル「キモオタ・・・せっかくのいい雰囲気ぶち壊しだよ・・・」

280: オプ速さん 2015/01/29(木)22:34:41 ID:uZm
その頃 別のおとぎ話

ゴルディロックス「ゼェゼェ・・・」ヨロッ

ドロシー「キャハハッ!追い詰めたよーん♪なかなかすばしっこいから時間かかっちゃった!」テヘペロ

ライオン「ねぇねぇ・・・!急ごうよ!早くしないと熊が来るんでしょ?このお家・・・まずいよまずいよ!熊はまずいよ!」

ゴルディロックス「・・・ハァハァ・・・あなた達・・・こんな事して・・・どういうつもりなの・・・!」ゼェゼェ

アリス「どういうつもりも何も・・・ボクはこんなおとぎ話に用事はなかったんだけどね。そうだろう、ドロシー?誰が間違えたんだっけ?」

ドロシー「もー!わかったから!私が行き先を勘違いしてよけいな遠回りになっちゃったって言いたいんでしょ?もう反省したからいいじゃんもぉー!しつこいと嫌われるよアリス!」

アリス「ボクは『どんな強風でもびくともしない魔法のレンガ』が欲しかったんだ、それなのにドロシーがおとぎ話の名前を間違えるから・・・」

ドロシー「はいはぁい!反省してまぁーす!」ヘラヘラ

ゴルディロックス「あなた達・・・何を企んで・・・!」

アリス「あぁ、もたもたしてるからよけいな詮索されちゃったよ。ドロシー、さっさとこいつを殺してしまってくれるかい?せっかくだからその後おかゆを頂くとしようか、美味しいって聞いているからね」フフッ

ドロシー「はいはーい!ちょっとだけ待っててねん、私の魔力でちょちょいだからさ!」

ゴルディロックス「・・・っ!」

シュガッ

282: オプ速さん 2015/01/29(木)22:43:38 ID:uZm
ゴゴゴゴゴゴ

ドロシー「よーし!終わった終わった!私ちょうどいい熱さのおかゆー!かかしとブリキと青い鳥は?食べないよね?」

ブリキ「必要ない・・・」

かかし「食べられないからナ・・・おまえ等で食エ!」

青い鳥「僕もお腹空いてないからいいよ」

ライオン「じゃ、じゃあ僕はつめたいおかゆにするよ、猫舌だから。いいよね?アリスちゃん、もしかしてアリスちゃんもつめたいおかゆ?」

アリス「ボクは熱いお粥でいいよ、どっちにしろここで食べている時間はなさそうだしね」

ドロシー「そうだねー!今度はちゃんと、目的のおとぎ話に行くから!安心してよ!」ニヤニヤ

アリス「そうだね・・・あぁ、忘れないうちに食後の薬を渡しておくよ、きちんと飲むんだよ?ドロシー」

ドロシー「はいはーい!了解了解!そんじゃあ行きますか!」カツンカツン

ヒュン

292: オプ速さん 2015/01/30(金)20:00:03 ID:F3i
一週間ほど後・・・ラプンツェルの塔 夜

ラプンツェル「おーじ!キモオタ!ティンク!これ見て!梯子半分くらい出来たよ!」バサー

キモオタ「これはwww初めはなかなかできないと思っておりましたがなwwwなかなか完成に近づきましたなwww」

ティンカーベル「これも王子が毎日布切れを持ってきてくれたおかげだね!」

王子「いや、梯子を作ったのはラプンツェルだ。彼女に感謝しないとな」

ラプンツェル「えへへー、でもこれが完成したらママ達を助ける手段探しに行けるもんね!頑張ろうね!おーじ!」

王子「ああ、旅の準備も進めているからな。森はずれの小屋に必要なものを揃えて置いた、いつだって出発できる」

ラプンツェル「初めての外の世界・・・!ワクワクするねー!」ワクワク

ティンカーベル「王子が来てから一週間・・・アリス達がくる様子は無いね」ヒソヒソ

キモオタ「そうですなwwwそれに越したことはないのでござるがwwwまぁこのままラプンツェル殿を見守りますぞwww」ヒソヒソ

ラプンツェル「ティンクー!お茶入れるから手伝ってー!」ニコニコ

ティンカーベル「うん、わかったー!・・・じゃあ行ってくるね!アリス達が来てないからって油断しないでね!キモオタ!」

キモオタ「わかりましたぞwww」コポォ

293: オプ速さん 2015/01/30(金)20:10:17 ID:F3i
ラプンツェルの塔 キッチン

ラプンツェル「フンフーン♪」ウキウキ

ティンカーベル「ご機嫌だね!ラプンツェル!もうすぐ外に出られるから?」

ラプンツェル「それもあるけど、毎日おーじが遊びに来てくれるし!ティンク達もね!おーじと遊ぶの楽しいよ、チェスも強いもんね」ニコニコ

ティンカーベル「ねぇねぇ、ラプンツェルは王子のこと好き?」

ラプンツェル「うん、好き!ティンクもキモオタも好きだよー」

ティンカーベル「えーっとねー、そうじゃなくてー・・・王子の事は特別に好き?」

ラプンツェル「特別に?んー・・・」

ティンカーベル「そうそう!特別!どうなの?」ワクワク

ラプンツェル「うーん・・・よくわかんないけど、おーじは優しいしカッコいいし、チェスも強いしママたちの病気治すこと真面目に考えてくれてるし、私はおーじの事好きだよ?それが特別かどうかはよくわかんないけど・・・でも二人きりの時はドキドキするよ!」

ティンカーベル「そっかぁ!ラプンツェルは王子のこと大好きなんだね!恋だよ恋!」ウキウキ

294: オプ速さん 2015/01/30(金)20:18:35 ID:F3i
ラプンツェル「恋?なにそれ?」

ティンカーベル「ラプンツェルは王子のこと特別好きでしょ?その気持ちの事だよ。いつか王子に大好きだって伝えないといけないね!」

ラプンツェル「恋すると、おーじに好きって伝えなきゃいけないの?」

ティンカーベル「そうだよ!もっともっと王子のこと好きになったらいつかちゃんと好きって言おうね、ラプンツェル!」

ラプンツェル「んー・・・いつかだと忘れちゃいそうだし,今言ってくるよ!」

ティンカーベル「えっ!?」

ラプンツェル「ねぇねぇー!おーじー!ちょっと来てー!」ヒョコ

ティンカーベル「ダメだよ!そんな雑な思いつきみたいな感じで告白しちゃ!」グイグイ

ラプンツェル「えー?ダメなの?」

ティンカーベル「ダメだよ!女の子の恋する気持ちはもっとロマンチックな時に伝えるもんなの!そういう決まりなの!」

ラプンツェル「ふーん・・・好きなときに好きって言えないなんて、なんか恋ってめんどくさいね」

ティンカーベル「めんどくさいとか言わないの!」

296: オプ速さん 2015/01/30(金)20:26:09 ID:F3i
翌朝 ゴーテルの家

ティンカーベル「・・・っていう事が昨日あってね?ラプンツェルはみんなに好きって言うからちゃんと王子に恋してるか不安だったけど、取り越し苦労だった!」

キモオタ「塔から出て行くための梯子も着実にできあがっておりますからなwww一週間後には完成するかとwww」

ゴーテル「・・・・・・」ズーン

ティンカーベル「ゴーテル?どうかした?今のところ異変もないし、おはなしは順調に進んでるよ?」

ゴーテル「それは嬉しいことじゃが・・・ラプンツェルと離ればなれになるまでもう一週間もないと思うと気持ちが沈むんじゃ」ズーン

キモオタ「ゴーテル殿www元気だしていただきたいwww」

ゴーテル「イヤじゃなぁ・・・ラプンツェルと離ればなれになるのは。あの娘が乳飲み子だったときから一緒じゃったからなぁ・・・」

キモオタ「そういえばwwwゴーテル殿は何故ラプンツェル殿を引き取ったんですかなwww」

ティンカーベル「それ私も気になる!教えてよゴーテル!」

ゴーテル「いいじゃろ。昔話でもしていれば気も紛れるじゃろ・・・いつか」

312: オプ速さん 2015/01/30(金)22:42:03 ID:VKN
>>297
キモオタの部屋で恋愛もののアニメとか見て得た知識だと思う。アオハライドとか

298: オプ速さん 2015/01/30(金)20:45:03 ID:F3i
ゴーテル「18年ほど前じゃったか・・・ワシの畑の野菜を盗んだ男がいてなぁ、隣の家の旦那じゃった。ラプンツェルの父親じゃ」

ティンカーベル「ゴーテルの作った魔法の野菜を、奥さんのために盗んだんだよね?」

ゴーテル「そうじゃ、本当は譲るつもりなんか無かった。追い払おうとしたんじゃが・・・しかしな、その時窓の向こうに見えたラプンツェルの母親に、タヒ相が出ておったんじゃ。ワシはすぐに気がついた、このままだと母親も子供もタヒぬとな」

ゴーテル「さすがに気の毒じゃった。じゃからワシはその野菜を譲ってやったんじゃ・・・その野菜は食べた者に魔力を与える野菜。
本来は魔女や魔法使いが自分の魔力を底上げする時なんぞに食べるもんじゃが、普通の人間にだって魔法の力を与える効果がある。おかげでその母親は一命を取り留めたんじゃが」

ゴーテル「その野菜の効果は胎児にも及ぶ。結果としてラプンツェルは魔力を持って産まれてくることになったんじゃ。大人ならともかく、意識的に魔力をコントロールできない赤子を普通の人間が育てるなど不可能・・・じゃからワシがラプンツェルを引き取った」

キモオタ「ラプンツェル殿に魔力が・・・!そんなふうには見えませんがな・・・」

ゴーテル「髪の毛じゃ、ラプンツェルの魔力は髪の毛に集約されておる。ほかの魔術や魔法は一切使えないが、あの髪の毛は切ったとしてもある程度はあっという間に伸びてくる・・・あの娘の意志で髪の毛を自由に動かすこともある程度は可能じゃ」

ティンカーベル「だからムッキムキじゃないのに塔の上からゴーテルを引っ張り上げたり出来たんだね?」

ゴーテル「そうじゃな、ラプンツェル自身はただの特技としか思っていないようじゃが・・・言い方を変えれば「髪の毛を自在に操る魔法」専門の魔法使いだと思ってくれてもいいじゃろ」

312: オプ速さん 2015/01/30(金)22:42:03 ID:VKN
>>299
俺なりの解釈。おとぎ話って語られてないところも気になっちゃうよね

ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます

300: オプ速さん 2015/01/30(金)20:57:52 ID:F3i
キモオタ「確かにwww妙に器用に髪の毛を動かすとは思っておりましたがwww」コポォ

ゴーテル「本当のことをいうとじゃな、あの塔はラプンツェルの魔力が暴走したときの為の防御壁じゃった。じゃがな・・・あの娘が二歳三歳になる頃にはもう、ワシにとってあの塔はラプンツェルを護るための物になったんじゃ」

ティンカーベル「それってどういうこと?」

ゴーテル「もうラプンツェルが可愛くて仕方なかったんじゃ!言葉を喋るようになると、もう可愛さが倍増したんじゃよ・・・!初めて「まま」って呼ばれた時の感動はいまでも鮮明に覚えておる!もちろんそれまでもキュートじゃったがな・・・?」

キモオタ「ちょwwwシリアスじゃなかったwww」

ゴーテル「とにかくワシはその時決めたんじゃ、ラプンツェルは確かにワシと血は繋がっていない。じゃが、ワシのたった一人の娘じゃ。月並みなセリフじゃが」

ゴーテル「世界を敵に回してもこの娘を守り抜くと決めたんじゃ」

ティンカーベル「そっか・・・それじゃあ寂しくなるね・・・」

ゴーテル「王子と塔を出ていくことはラプンツェルが決めた事じゃ、もう母親のワシが口を出すことではないんじゃろうな・・・」

301: オプ速さん 2015/01/30(金)21:10:49 ID:F3i
キモオタ「なんと声をかけていいのやら・・・しかし、ラプンツェル殿はゴーテル殿の体を心配して、それを治す手段を・・・」

ゴーテル「わかっておる、さすがはワシの娘じゃ。しかし、どちらにしても近いうちにワシはラプンツェルを砂漠に捨てなければならないんじゃ」

ティンカーベル「・・・こんなこと言うのも変だけど、ゴーテルはそれで納得がいくの?」

ゴーテル「納得はしておらんな。おとぎ話の住人には物語の結末という形の運命が決まっている、それには抗えん。それを恨んだこともあった・・・何故愛する娘をはじめとして捨てなければならんのか!とな」

ゴーテル「じゃが、裏を返せばワシさえそれを耐えればラプンツェルは王子と幸せな暮らしを送れる。老い先短いワシの苦悩で、ラプンツェルが幸せになれるなら安いもんじゃ」

キモオタ「ゴーテル殿・・・」

ゴーテル「さぁさぁ、この話は終いにしようかの。暗い気持ちになってしまうでのぉ」

ティンカーベル「あのね、ラプンツェルはゴーテルがお母さんで幸せだったと思うよ!」

キモオタ「ですなwww寂しいかもしれませんがな・・・元気だしていただきたいwww」

ゴーテル「ふぉっふぉ、そうじゃな・・・もう何度ラプンツェルに会えるかわからんが、心配かけんようにせんとな」





青い鳥「・・・・・・」バッサバッサ

304: オプ速さん 2015/01/30(金)21:30:36 ID:F3i
・・・

ゴーテル「さて、キモオタ達はラプンツェルの所へ行ったか・・・それで、お前はワシに何の用じゃ・・・?」

アリス「・・・察しがいいね、気配は消していたつもりだけど」

ゴーテル「・・・匂いがするのぅ、魔法具・・・それも一つや二つじゃない。膨大な魔力・・・お前がアリスとかドロシーという娘じゃな?」

アリス「またまた察しがいいね、ゴーテル。君の作った野菜をドロシーに食べさせたくてね・・・ドロシーの持つ魔力を増幅させようって考えさ、だから青い鳥と二人で来たんだ。と言えば、素直にくれるかい?」

ゴーテル「無理じゃな、断る」

アリス「いいよ、予定通りさ。でも、欲しいものは絶対に手に入れる」ゴソッ

ゴーテル「・・・・・・」ジリッ

アリス「そう身構えないでよ。魔法勝負になるとちょっと分が悪いかもしれないしね。けれど、ボクの申し出を断った事は後悔してもらうよ?」

ゴーテル「なんじゃと・・・?」

アリス「安心するといい、苦しむのは君一人でじゃあない」

アリス「ラプンツェルも一緒だからさ」フフッ

305: オプ速さん 2015/01/30(金)21:41:34 ID:VKN
ラプンツェルの塔 夕暮れ

ティンカーベル「ねぇねぇ、ラプンツェル。今日はずっと縫い物してるけど何作ってるの?」

ラプンツェル「これはね、ママへのプレゼント!こないだケープ作ったから今度は普通に洋服なんだけどね。もう、私いなくなっちゃうから・・・」

ティンカーベル「そっか、寂しくなるけど・・・こうしてプレゼントあげたらきっとゴーテル喜んでくれるよ!」

キモオタ「なんたってwwwラプンツェル殿の気持ちがwwwこもってますからなwww」

ラプンツェル「うん!ママとは少しの間会えないけど、ママのためだもんね!私、頑張るよ!」ニコニコ

ティンカーベル「ラプンツェルはゴーテルの事大好きだね!」

ラプンツェル「うん!ママのこと大好きだよ!」

キモオタ「早くゴーテル殿を体の痛みから助ける手段を探さなければなりませんなwww王子殿との仲も深めねばなりませんしなwww」

ラプンツェル「あはは、キモオター!私とおーじは今も仲いいよ?」

キモオタ「ドゥフフwwwそうでしたなwww」


「ラプンツェル!ワシじゃ!髪の毛を早くおろしとくれ!」


ラプンツェル「あれ?こんな時間にママが呼んでる。いこう、ティンク!キモオタ!」

306: オプ速さん 2015/01/30(金)21:48:07 ID:VKN
ラプンツェルの塔 最上部の窓

ラプンツェル「ママー、いくよー?それっ!」ファサ

ゴーテル「・・・・・・」ガシッ

グッグッ グッグッ

グッグッ グッグッ

トサッ

ゴーテル「・・・・・・」

ラプンツェル「ママ?どうしたの?何か忘れ物?」

ティンカーベル「どうしたんだろ・・・なんか様子がおかしいね?」ヒソヒソ

キモオタ「寂しくなって遊びに来たとかwww」ヒソヒソ

ゴーテル「ラプンツェル・・・・・・!」

グイッ

ラプンツェル「痛っ!ま、ママ・・・?どうして髪の毛掴んだりするの?」

ゴーテル「・・・どうしてだって?よくもぬけぬけとそんな事が言えたもんだね、お前は・・・!」ギロリ

307: オプ速さん 2015/01/30(金)22:02:36 ID:VKN
キモオタ「ちょ、ゴーテル殿!」

ティンカーベル「離してあげてよ!ラプンツェルがかわいそうだよ!」

ラプンツェル「ど、どうして?どうしてそんなに怒って・・・私がおーじと会ってる事知ってるの?だから怒ってるの?」

ゴーテル「よくわかってるじゃないか・・・!王子と一緒に塔を出て行くつもりだろう?ワシは血の繋がりの無い養女のお前をここまで育ててやったというのに、簡単にワシを裏切るような真似をしおって・・・!」

ラプンツェル「違うの・・・!私はママに元気になってもらいたくて・・・!だからおーじと一緒に」

ゴーテル「黙れ!このアバズレが・・・!お前、あの王子と一緒になりたいからといってワシを口実に使うんじゃない、不愉快だ!」

ラプンツェル「・・・違う!そうじゃないの、信じて!ママ!」

ゴーテル「誰が貴様など信じられるものか・・・!それとな・・・よく聞け、お前はワシを裏切った・・・そもそもお前はワシの娘じゃない。ママなどと馴れ馴れしく呼ぶのはやめろ、反吐がでる!」

ラプンツェル「・・・・・・っ!」ジワッ

ティンカーベル「どうしたのさ!ゴーテル!いくらなんでも言い過ぎだよ!」ピュー

ゴーテル「妖精の娘・・・貴様は黙っておれ!」

309: オプ速さん 2015/01/30(金)22:16:31 ID:VKN
ラプンツェル「ママが・・・私のこと娘じゃないって・・・」ポロポロ

ティンカーベル「落ち着いてラプンツェル!あんなの本心じゃないよ!」

キモオタ「うおぉぉ!ゴーテル殿!落ち着いていただきたい!どうにも様子がおかしすぎますぞ!?」ガシッ

ゴーテル「ええい、離せ!この豚が・・・!」

ティンカーベル「ゴーテル!どうしたのさ!?さっきはラプンツェルの事あんなに大切そうに話してくれたのに!」

ゴーテル「黙れ・・・貴様、少し眠っておれ・・・!」ヒュォ ビターン

ティンカーベル「うぐっ・・・!」

キモオタ「ティンカーベル殿!なにも叩きつけることなどないでござろう!ゴーテル殿!」

ティンカーベル「だ、大丈夫・・・!それよりラプンツェルを・・・」

ティンカーベル(絶対におかしい。ゴーテルはきっと正気を失ってる・・・でもどうして?原因がわからない!・・・あれ?)

ティンカーベル(なんだろう・・・ゴーテルの足元に何かの粒が落ちてる・・・?)

ゴーテル「ええい、いい加減に離せ!」

ティンカーベル(ゴーテルの服にもついてる・・・暴れたときに服からこぼれたのかな?だったらゴーテルの様子がおかしい原因って・・・この粒かな?)

クンクン

ティンカーベル(・・・この匂い、コショウの粒?)

310: オプ速さん 2015/01/30(金)22:25:01 ID:VKN
ゴーテル「ええい!鬱陶しい・・・!」ブンッ

キモオタ「ブヒィィィ!」ドサー

ゴーテル「とにかく・・・お前はもういらない・・・!気に入らない、お前もお前の長い長い髪の毛も・・・!」グイッ

ラプンツェル「・・・・・・ごめんなさいママ!私、ママの為にと思って・・・」

ゴーテル「その呼び方はやめろと言ったはずだろう!ええい、不愉快だ・・・今すぐその髪の毛を切り落としてやる・・・!」ガシャッ

ジャキン ファサッ

ラプンツェル「私の・・・髪が・・・!」

キモオタ「ラプンツェル殿ー!我輩、倒れている場合ではないでござる・・・!」

ゴーテル「これでスッキリしたよ、さぁ今度はお前を捨ててやる。もう二度と王子について会えないような遠い遠い砂漠の国へね!」ブツブツ

ブォン

ティンカーベル「世界移動のゲート・・・!?」

311: オプ速さん 2015/01/30(金)22:35:17 ID:VKN
ラプンツェル「やめて!ママ、もう約束破ったりしないから!」

ゴーテル「このおとぎ話の世界の外なら、もうどうあがいても王子には会えやしない!さぁ、行くんだ。行け!」グイッ

ラプンツェル「きゃっ!」ドサッ

キモオタ「ら、ラプンツェル殿!」

ゴーテル「ちょうどいい・・・豚と妖精、お前たちも目障りだ」ギロリ

ティンカーベル「ゴーテル!もう目を覚まして・・・!」

ゴーテル「喜べ、あいつの行き先はお前たちが行きたがっていた【アラビアンナイト】の世界。お前たちもあの娘の道ずれだ、だがもう二度とワシの目の前には現れるな・・・!」グイッ

キモオタ「ブヒャア!」ドサー

ティンカーベル「キモオタ!ラプンツェル!」ヒラヒラ

ゴーテル「さぁ妖精、お前もだ・・・!」グイッ

ティンカーベル「あのコショウがなんなのかわかんないけど・・・絶対におかしい!私達は絶対に戻ってくるから!」

ゴーテル「ふん、口の減らない妖精だ・・・」ポイッ

ティンカーベル「絶対絶対!ラプンツェルやゴーテル達のおとぎ話は消えさせないから・・・!」

シュウゥゥ

ゴーテル「ようやく邪魔者は消えたか・・・次は王子の番だ・・・クックック」

329: オプ速さん 2015/01/31(土)22:05:52 ID:M4S
ラプンツェルの塔

王子「今日は少し来るのが遅くなってしまった・・・ラプンツェルに遅いって怒られるかもしれないな」フフッ

王子「・・・ラプンツェル!私だ!髪の毛を下げてくれないか!」

ファサッ

王子「・・・?」

王子(なんだ?おかしいな。いつもなら髪の毛を下げた後ラプンツェルが窓から身を乗り出してくるんだが・・・?)

王子「体調でも悪いのだろうか・・・?とりあえず登ってみるか・・・」ガシッ

グッグッ グッグッ

グッグッ グッグッ

スタッ

王子「あなたは・・・!」

ゴーテル「・・・貴様が王子か」ゴゴゴゴゴ

王子「以前、ラプンツェルの髪の毛を伝って塔に登っていた老婆・・・!もしや、ラプンツェルの身内の方なのか?」

330: オプ速さん 2015/01/31(土)22:17:45 ID:M4S
ゴーテル「ワシはあの娘をこの塔に閉じ込めていた魔女・・・」

王子「ならば、あなたがラプンツェルの話していた母上ということか・・・!」

ゴーテル「ほう?どう聞いているか知らないが、あいつはもうワシの娘じゃあない」

王子「聞いていた印象とずいぶんと違うが・・・いや、まずは非礼を詫びるべきか。申し訳ない、あなたの娘の塔に勝手に上がり込んでしまい。だが、私は真剣にラプンツェルの事を愛している。もちろんやましいことなど一切していない。どうか信じて欲しい」ペコッ

ゴーテル「ふん、そのようなことはどうだって良い。もうあの娘はここには居ないからな」

王子「・・・ラプンツェルはここには居ない、だって?」

ゴーテル「遠い遠い世界へ消えていったよ。ワシを裏切った罰だ」

王子「・・・どういうことか、説明して貰おう」ギッ

ゴーテル「おぉ、そのような目で睨みつけるでない。ワシはあんたにも罰を与えるつもりだ。ワシが見たいのはそんな力強い眼差しじゃない」

ゴーテル「希望の光が潰えたときの虚ろな眼差しじゃ」

333: オプ速さん 2015/01/31(土)22:34:20 ID:M4S
王子「先ほども言ったはずだ、私はラプンツェルを愛している。返答次第ではあなたを・・・!」チャキ

ゴーテル「ワシはあの娘の母親じゃあない。だが、罪に対して罰を与える義務はある、あの娘はワシとの約束を破って貴様と旅にでるつもりだったらしいじゃないか?」

王子「それはあなたの為に・・・!」

ゴーテル「理由なんて関係ない、あの娘がワシを裏切ったことは事実。お前はこの塔にラプンツェルに会うためにやってきたんだろうが、あいつはもうこの塔に戻ってくることは無い」

王子「・・・ならばせめて、どこへ連れて行ったのかだけでも教えてくれないか!?」

ゴーテル「お前の手の届かないところさ。空を飛ぶ鳥に手をふれることが出来ないように・・・美しい歌声で鳴くあの娘はどことも知れぬ空へと飛んでいったのさ。遠い遠い空へ、もう帰り道もわかりゃあしない」

王子「・・・ッ!」

ゴーテル「そして、その鳥はもう二度とお前の肩に止まることはない」

王子「自分の娘になんていう仕打ちを・・・!」

ゴーテル「悔しいか?悲しいか?あぁ、そうだろうさ。これはあの娘とおまえへの罰だ。もうラプンツェルがお前に笑いかけることは無い。嬉しそうに語りかけることも、些細なことで拗ねる姿も・・・お前は見ることが出来ない・・・!」

王子「・・・何故だ。何故このようなことに・・・!」ヨロッ

ゴーテル「可能性があるとすれば、タヒんでみることだ。運が良ければ命を失ったあの娘とあの世で出会えるかもしれんぞ?」

王子「クッ・・・!ラプンツェル・・・!私は、私は・・・!」ヨロヨロ

335: オプ速さん 2015/01/31(土)22:47:10 ID:M4S
ゴーテル「さぁ、ワシの話は終わりじゃ。用が済んだのなら帰って貰おうか」

王子「ラプンツェル・・・!君が居ないなんて・・・私はどうすればいいんだ・・・!私はもう・・・生きている意味など・・・」フラフラ

グラッ

王子「ぐっ!ぐあああぁぁぁ!!」ヒュゥゥウ

ゴーテル「ふん、自ら飛び降りてタヒを選ぶか。それもよかろう。されとて、あの娘に会えぬ事に変わりはないがな」クックック

・・・

ヒュゥゥウ ガサッ ガサガサガサッ!ブシュッ

王子「・・・・・・ゼェゼェ・・・何故だ・・・何故だ・・・!私はタヒを選んだと言うのに・・・何故、生きている・・・!もうラプンツェルには会えないのに何故・・・!」

王子「・・・樹木の枝か、茨に目をやられてしまったか・・・一切の光が見えない。今の私にはちょうどいいのかもしれないな、私は生きる希望の光を失ってしまった・・・!いっそのこと短剣で首を掻き切ってしまうか」ガシャッ

グッ

王子「何故だ・・・短剣が鞘から抜けぬ・・・何かが絡まっているのか?」サワッ

王子「この手触りは・・・ラプンツェルの髪の毛か?さっき登ったときに短剣に絡まっていたというのか・・・!」

王子「・・・・・・」

王子「生きろと言うのか、ラプンツェル」

339: オプ速さん 2015/01/31(土)22:54:58 ID:M4S
王子「・・・・・・」

王子「・・・君はもう私の手の届かない遠くへいってしまったのかもしれない。でも、それならば私は追い続けよう」

王子「どれだけ月日が過ぎようと、どれだけはるか彼方遠くへの旅となっても・・・」

王子「例え両目が光を失っていても・・・地を這ってでも・・・!」

王子「だから、ラプンツェル・・・君はどうかいつものように笑っていてくれ。そして軽やかな歌声を響かせていてくれ」

王子「私がその歌声を頼りに、必ず君を捜し出す」

王子「だから、すまないが少しの間。待っていてくれ、ラプンツェル」

・・・

341: オプ速さん 2015/01/31(土)23:02:59 ID:M4S
アラビアンナイトの世界 砂漠地帯

ラプンツェル「・・・・・・」グスングスン

キモオタ「ブヒイイイィィィ!」ズッサー

ティンカーベル「・・・ここが【アラビアンナイト】の世界・・・見渡す限りの砂漠だね・・・」

ラプンツェル「・・・ティンク、キモオタ。どうしたらいいかな・・・私・・・」グスングスン

キモオタ「ラプンツェル殿・・・」

ラプンツェル「私がママとの約束を破って、嘘ついて塔を出ようとしたから・・・ママに嫌われちゃった・・・もう、私のこと娘じゃないって・・・」ポロポロ

ティンカーベル「ラプンツェル、しっかりして!あんなのゴーテルの本音じゃないよ!」

ラプンツェル「でも・・・」グスングスン

キモオタ「そうですぞ!きっと気が動転して、思ってもいないことを言ってしまったに違いないですぞ!」

343: オプ速さん 2015/01/31(土)23:13:29 ID:M4S
ティンカーベル「そうだよ!だからゴーテルもきっと後悔してるよ!だってラプンツェルのママは優しいんでしょ?あんな事平気な気持ちで言えるような人じゃないんでしょ?」

ラプンツェル「うん、本当なら言わない・・・」グスングスン

キモオタ「ならばゴーテル殿を信じることですぞwwwそして元気を出してくだされ、王子殿もゴーテル殿もそして我輩も・・・泣き顔のラプンツェル殿よりも笑顔の方が好きですぞwww」

ティンカーベル「うん!私も私も!」

ラプンツェル「・・・うん、わかった。本当に泣きたいのは私に嘘つかれたママのほうだもんね。今は許してもらえなくても・・・私はいつかママにちゃんと謝って、許してもらう・・・」グシグシ

キモオタ「それがいいですぞwwwすこし時間をおいて落ち着けば、ゴーテル殿もわかってくれますぞwww」

ラプンツェル「うん!だからもう泣かないよ、私」

ティンカーベル「とは言っても、キモオタ。わかってるよね?」ボソッ

キモオタ「もちろんですぞ。ゴーテル殿の様子はつい言い過ぎたとか演技の域を越えてましたからな。おそらく・・・」ボソッ

ティンカーベル「何かされたんだよ、誰かにね。って、誰かは大体察しがつくけど」ボソッ

344: オプ速さん 2015/01/31(土)23:29:15 ID:M4S
ティンカーベル「それに・・・さっきから【ラプンツェル】の世界へ飛ぼうとしてるけど・・・このおとぎ話の結界は内側から出ることも出来ないみたい」

キモオタ「ゴーテル殿は結界を壊したのではなくすり抜ける形で我々をここに・・・しかし、戻れないとなると【ラプンツェル】のおとぎ話がまずいのでは?主人公のラプンツェル殿はここにいるわけでござるし」

ティンカーベル「・・・多分、それは大丈夫。ゴーテルに捨てられたラプンツェルが王子と再会するまでの期間は物語には詳しく書いてなかったから、しばらくはラプンツェル不在でもおとぎ話は消えない。
もちろん、一定の期間だけだからずっとここにいたら王子と再会するっていう結末が破綻して消えちゃうけど」

キモオタ「【ラプンツェル】の世界へ行く事は出来ない、しかし多少の余裕があるということですな・・・」

ティンカーベル「そうだね。どっちにしても私たちだけじゃ世界移動もできない。ここは一度シェヘラザードに会おう、そして事情を話して助けてもらおう」

キモオタ「そうですな、それしかないですぞwww我々は元々シェヘラザード殿に会う目的だったでござるしwww」

ラプンツェル「ねぇ、キモオタ・・・聞いてもいい?」

キモオタ「いいですぞwwwなんですかなwww」コポォ

ラプンツェル「太陽の方角見て!ずっと遠くからこっちに飛んでくる大きな影が見えるけど、あれって・・・鳥かな?」

ティンカーベル「・・・本当だ!ものすごく大きな鳥がこっち来る・・・!すごいスピードだよ!」

347: オプ速さん 2015/01/31(土)23:48:29 ID:M4S
砂漠上空 巨鳥の背中

???「見つけたぜ・・・侵入者だ!おい!聞こえるかシェヘラザード!王宮の東の砂漠に侵入者だ!」

シェヘラザードの声「怒鳴らなくとも聞こえています。あなたの指輪は付けている者同士で会話ができる魔法の指輪。ですからもう少し声の大きさというのを考えて・・・」

???「んなことはどうでもいいだろ!あいつら、結界すり抜けてやってきやがって・・・いい度胸だ!おい、ロック鳥!あいつらを捕まえるぞ!」

ロック鳥「ルオオオォォォック!」バッサバッサ

シェヘラザードの声「待ちなさい。まだその者達が悪人だと決まったわけではないでしょう。今、アリ王子に空飛ぶ絨毯をこちらへ飛ばして貰っていますから私がそちらに行くまで待っていなさい」

???「何を呑気なこと言ってんだ!悪人だったら手遅れになっちまうだろうが!もしも仮に善人だったなら間違えて捕らえても許してくれるだろうしよ!」

シェヘラザードの声「落ち着きなさい、熱くなったあなたにその判断が付きますか?あなたは勇敢さと思慮深さを兼ね備えた船乗りでしょう。もう少し・・・」

???「あぁ!もう!うるせぇな!侵入者は俺が捕まえてやるからお前は菓子でも食いながら待ってろ!じゃあな、シェヘラザード!行くぞ、ロック鳥!」

ロック鳥「ルオオオォォォック!」バッサバッサ

シェヘラザードの声「ま、待ちなさい!私の話を聞いているの!?勝手な真似は許しませんよ!シンドバッド!!」

349: オプ速さん 2015/02/01(日)00:09:04 ID:Kcy
・・・

シンドバッド「侵入者共!運が無かったな!この俺様に見つかっちまうとはなぁ!!」

キモオタ「なんでござるか!あの巨大な鳥!!あんな鍵爪に掴まれたら・・・!」

ティンカーベル「違うよ!私達は確かに侵入者だけど事情があるんだよ!」

ラプンツェル「一面の砂、大きな大きな鳥、なんだかチャラチャラした衣装の男の人・・・!これが外の世界・・・!」

ティンカーベル「ラプンツェル!感動してる場合じゃないよ!」

シンドバッド「なんつーか・・・確かに前の奴らとは違うみたいだな、抵抗する様子もないか。それに・・・見るからに弱そうな顔ぶれだ、デブに妖精に髪の毛が長い女・・・おい、妖精と女。名前を教えろ!」

ティンカーベル「ティンカーベルだよ!ティンクって呼んでもいいよ!」

ラプンツェル「私はラプンツェル!」

シンドバッド「俺様は勇敢さと思慮深さを兼ね備えた船乗り・・・!名はシンドバッドだ!心躍る冒険と美しい女を俺様は何より愛している!
さぁティンク、ラプンツェル・・・ロック鳥の背中に乗るといい。こいつは俺の相棒さ。おい、ロック鳥!翼をおろしてやりな!そこの豚は餌にしてかまわねぇから」

ロック鳥「ルォッ!」バサッ

キモオタ「ちょwww我輩もwww乗せていただきたいwww」コポォ

360: オプ速さん 2015/02/02(月)20:07:03 ID:Bvd
ラプンツェル「シンドバッド!キモオタは私の友達なの、だから一緒につれてってあげて。餌にされちゃうのは可哀想だよ!」

シンドバッド「・・・おい、キモオタとかいう奴。お前に問おう、お前達は何故ここにいる?」

キモオタ「よくぞ聞いてくれましたなシンドバッド殿www我々はとある人物からこのおとぎ話の主人公であるシェヘラザード殿に伝言を預かっているのでござるよwww案内していただけないでござるかwww」

シンドバッド「シェヘラザードに用事か・・・おい、ロック鳥!やっぱそいつ食うのは一旦おあずけだ」

ロック鳥「ルォッ!」

キモオタ「何とか餌にならずに済みましたぞwww」コポォ

シンドバッド「勘違いするなよ?あくまで一時的だ。お前が信用できない奴だとわかったらすぐにでもロック鳥はお前をついばむ。・・・おい、シェヘラザード。聞いていたな?」

シェヘラザードの声「・・・はい、その指輪を彼に渡してください。私が話をします」

ティンカーベル「指輪から声が聞こえる!それで会話ができるんだね?」

シンドバッド「あぁ、その通りだ。ほらよキモオタ、俺たちの姫はお前をご指名だ」ヒョイ

361: オプ速さん 2015/02/02(月)20:23:44 ID:Bvd
キモオタ「この指輪に話しかけたればいいのでござるねwww」コポォ

シェヘラザードの声「はい。あなたはキモオタさんというのですね?」

キモオタ「そうですぞwww現実世界の人間でござるwwwお主がシェヘラザード殿でござるかwww」

シェヘラザードの声「はい。この【アラビアンナイト】の主人公です。なにやら私に伝言があるとの事ですが、一体どなたからでしょうか?」

キモオタ「大鬼殿・・・いや、【一寸法師】の鬼殿をご存じですかな?打ち出のこづちを持っている鬼でござるが・・・」

シェヘラザードの声「はい、存じております。彼は何と?」

キモオタ「話すと長くなるのでござるが・・・内容だけ伝えると「アリスが魔力を集めて何かを壊そうとしている」ということをシェヘラザード殿に伝えてほしいと・・・」

シェヘラザードの声「彼がそう言ったのですね?」

シェヘラザードの声「アリス・・・【不思議の国のアリス】でしょうか?魔力を集めて壊すというには・・・あの世界の結界の事でしょうね・・・」ボソッ

キモオタ「どうかしましたかな?www」

シェヘラザードの声「いいえ。キモオタさん、わかりました。指輪をシンドバッドへ渡してください」

キモオタ「わかりましたぞwww」ヒョイ

シンドバッド「おう、で・・・どうだシェヘラザード?」

362: オプ速さん 2015/02/02(月)20:45:46 ID:Bvd
シェヘラザードの声「私が彼・・・【一寸法師】の鬼さんと面識があることを知っている人間は他にいないはずです。それに以前ここに来た娘がアリスだというのなら話のつじつまも合います」

シンドバッド「確かにそうだな。侵入者だっていうからどんな奴かと思ったが・・・こいつらからは敵意を感じねぇ。おそらく信用してもいいんじゃないか?俺の船乗りとしての・・・冒険家としての勘がそう言ってやがる」

シェヘラザードの声「私も信用していいと思います。仮に彼らが悪人だったとしても私の統べるおとぎ話から応援を呼べますし・・・なので彼らの話を詳しく聞きたいですね」

シンドバッド「よし、じゃあ今からお前の屋敷に連れて行く」

シェヘラザードの声「お願いしますよ。あぁ、それと・・・シンドバッド、よく聞いておきなさい」

シンドバッド「なんだ?また説教か?」

シェヘラザードの声「先ほど、二人分の可愛らしい女の子の声が聞こえましたけど・・・彼女達は外の世界から来た言わば客人。決して言い寄ったりしないように。聞きましたよ?あなたはあろう事か【アリババと40人の盗賊】のモルジアナに愛の言葉を囁いたとか・・・」

シンドバッド「アリババの野郎・・・チクりやがったな。安心しろシェヘラザード、確かにモルジアナに言い寄ったのは事実だ、しかし思い切りぶん殴られたからな。つまりはノーカウントだ」

シェヘラザードの声「何がノーカウントですか!あなたはもっと【船乗りシンドバッドの冒険】の主人公として恥ずかしくない行動というものをですね・・・」

シンドバッド「・・・・・・はいはい、わかりましたよーっと」ゴソゴソ

シェヘラザードの声「シンドバッド!声が遠くなりましたよ!さてはポケットにしまいましたね?シンドバッド!聞きなさい!シンドバッド!」

383: オプ速さん 2015/02/03(火)22:00:09 ID:LI8
【アリババと40人の盗賊】
ひらけごま!でおなじみの、シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
主人公アリババがうまいこと盗賊の宝を盗み、仕返しにきた盗賊を見事退治するというおとぎ話。
ただし、盗賊を退治するのはアリババではない。

・アリババ
このおとぎ話の主人公。
盗賊の宝をうまいこと手に入れて裕福になる。おとぎ話のタイトルになっているものの、言うほど活躍してない印象を受ける

・モルジアナ
奴隷の女性。原作で盗賊を全員ブチ殺す活躍を見せる。
潜む盗賊に気がつき、煮えた油をぶっかけて殺す。
舞を見せるといいながらナイフで盗賊の親分を刺し殺す。
完全に主人公の活躍を奪っている。このスレでは言い寄ってきたシンドバッドをぶん殴った(シンドバッド談>>362)

363: オプ速さん 2015/02/02(月)21:04:53 ID:Bvd
シンドバッド「さて・・・シェヘラザードと話がついたぜ。お前達をあいつの屋敷に案内する。さっさとロック鳥の背中に乗るんだ」

ティンカーベル「やった!じゃあ乗せてもらおう!行こうよラプンツェル!」

ラプンツェル「うん!背中はふかふかして毛布みたいだね・・・!私、鳥の背中に乗るのって初めて!」ワクワク

シンドバッド「そうかい、だが俺もお前みたいに髪の長い女は初めて見るぜ?」

キモオタ「先ほど切られてしまいましたがすぐに延びてきましたなwww」

ティンカーベル「さすがに前よりは短いね。それでもものっすごーっく長いことには変わりないけど」

ラプンツェル「そうなの?私くらい長い髪の毛の女の子は塔の外には居ないの?」

シンドバッド「ああ、見たことねぇ。だが・・・ラプンツェルはそのままじゃああの街には行けねぇな・・・」

ティンカーベル「髪の毛長すぎて邪魔になるってこと?じゃあ私が三つ編みにしてあげるよ!」

ラプンツェル「あっ!私もできるよ!じゃあ一緒にやろうかティンク」ニコニコ

シンドバッド「いや、そう言う事じゃんねぇんだ。あの街は特殊だからな・・・しかたねぇ、まずはフード付きの服を買いにいくしかねぇか」

キモオタ「特殊とはwww一体どのような街なのですかなwww」

シンドバッド「あぁ、話すと長くなるが結論だけいうと若い女が居ない街だな」

364: オプ速さん 2015/02/02(月)21:22:53 ID:Bvd
キモオタ「それはどういうことですかな?」

シンドバッド「それはだな・・・いや、だがまずは街に急ぐか!さぁロック鳥!街の近くまで飛んでいけ!この仕事終わったらうまい飯用意してやるからな!」

ロック鳥「ルォォォオオオッック!!」バァサァッ!バッサバッサ!

バッサバッサ バッサバッサ

ラプンツェル「おおぉー!塔よりも高いね!でもどこ見ても砂しかないね」アミアミ

キモオタ「砂漠でござるからなwwwしかしこれ滑りオチたらひとたまりもありませんなwww」コポォ

シンドバッド「その時は鍵爪でキャッチするよう言ってやるから安心しな」ニヤニヤ

キモオタ「ちょwww全身強打か爪でズタズタになるかの二沢www」

ティンカーベル「それでさ、さっきシンドバッドは街には若い女の人が居ないって言ってたけど、それってなんで?」アミアミ

キモオタ「そうでしたなwwwだからラプンツェル殿は入れないとか言ってましたなwwwその理由は我輩も気になりますぞwww」

シンドバッド「あぁ、若い女はもうほとんど殺されちまってる」

ティンカーベル「えぇ!?なんで若い女の人だけ?戦い・・・じゃないよね、なにか事件があったの?」アミアミ

シンドバッド「いいや、国王の仕業さ。国王の命令で女達は一人づつ殺されているんだ、この国ではな」

365: オプ速さん 2015/02/02(月)21:47:41 ID:Bvd
ラプンツェル「ひどい・・・!やっぱり塔の外には悪い人がいるっていうのは本当だったんだ!ママが言ってた通りだよ!」アミアミ

キモオタ「むむむ・・・罪もない若い女性を殺してまわるとは・・・なんという国王でござるか!」

シンドバッド「俺としては王に少し同情しちまうけど・・・まぁ、いわゆる悪王だな、今は」

ティンカーベル「ねぇねぇ、なんで王様は若い女の人だけを殺しちゃうの?男の人やおばちゃんや子供は殺さないの?」アミアミ

シンドバッド「ああ、男は殺さない。女でもおばさんやガキも殺さねぇな。王が殺すのは若い女・・・それも処女の女だけだ」

キモオタ「ちょwww処女厨www」コポォ

ラプンツェル「ねぇティンク、しょじょってなに?」

ティンカーベル「なんだろ?私もわかんない。ねぇ教えてよシンドバッド」

シンドバッド「なんだお前等しらねぇのか?いいか、処女ってのはな男とセッk」

バッ!

キモオタ「ちょwwwシンドバッド殿wwwティンカーベル殿もラプンツェル殿もピュアでござるからwwwそのあたりはぼかして頂きたいwww」ヒソヒソ

シンドバッド「なんだよ、めんどくせぇな・・・わかったわかった。そのへんぼかしゃいいんだな?」

キモオタ「頼みますぞwww」

366: オプ速さん 2015/02/02(月)22:03:12 ID:Bvd
ラプンツェル「ねぇねぇシンドバッド、聞いてる?」

シンドバッド「聞いてるっての。あーつまり、処女ってのはあれだ。心身共に純粋な女って事だな」

ティンカーベル「なるほど!ひとつ賢くなったよ!じゃあ確かにラプンツェルは純粋だからまずいかもね・・・」

シンドバッド「ったく、しかしあれだな。まぁ俺はちょっと物を知らない女ってのも魅力的だと思うぜ?ティンカーベル」ニッ

キモオタ「さりげなく口説きましたなwww」コポォ

ティンカーベル「はいはい、わかったから続けて!」

シンドバッド「つれねぇなティンク、冗談だろうが・・・で、なんだったか・・・ああ、王の話だったな」

シンドバッド「この国の王はある事が原因で女が信じられなくなってな。国中の処女を毎晩一人寝室に・・・あーいや、なんだ、毎朝一人殺してる。そのせいで国には若い女はもうほとんどいない、あと残っているのはシェヘラザードとその妹だけだな」

キモオタ(シンドバッド殿、今ぼやかしてくれましたなwwwおそらく実際は「毎晩一人の処女と夜を過ごし、翌朝には殺している」といったところなのでござろう・・・)

ラプンツェル「じゃあ、そのシェヘラザードも危ないんじゃないのかな?」

シンドバッド「だからシェヘラザードはある計画を考えて・・・っと、見えてきたぜ!あのでかいのが王宮だ、あの近くの町に行く。急降下するからしっかり捕まってろ!」ビュォ

367: オプ速さん 2015/02/02(月)22:25:33 ID:Bvd
王宮側の街 街外れ

ガサガサッ

シンドバッド「待たせたな。ラプンツェルはこのローブを着てついて来い」バサッ

ラプンツェル「わかったけど、なんだか暑そうだね・・・」

キモオタ「ただでさえ暑いというのにwwwこんなローブを着ていてはしんどいでしょうなwww」

シンドバッド「おいおい!文句を言うんじゃねぇよ、わざわざ買ってきてやったんだ。なるべく薄手のを頼んだが、在庫がこれしかねぇってんだから仕方ねぇだろ」

ティンカーベル「まぁでもさ、ラプンツェルの身を守る為なら仕方ないよね?」

キモオタ「国王に目を付けられて殺されてはたまりませんからなwww」

ラプンツェル「それは私も嫌だし怖いから・・・着るよ、シンドバッドありがとね!」

シンドバッド「おう、じゃあ行くぞ。街を奥に進んだところに王宮がある、その少し手前を曲がって奥の方に大臣の屋敷がある・・・シェヘラザードの家だ」

キモオタ「ほうwwwシェヘラザード殿は大臣の娘さんというわけですなwww」

シンドバッド「ああ。さぁ、とにかく街へ行くぞ、はぐれないようにな?」

368: オプ速さん 2015/02/02(月)22:38:51 ID:Bvd
王宮側の街

ザワザワ ザワザワ ザワザワ

ラプンツェル「わぁ・・・!すごいっ・・・!すごいすごい!人がいっぱいいるよ!」キラキラ

ティンカーベル「そういえばラプンツェルは街に来るのは初めてなんだっけ、塔から出たこと無いもんね」

ラプンツェル「うん!たくさんの建物と・・・いっぱいのお店!それとやっぱり数え切れないほどの人!ねぇねぇ!私知ってるよ!こんなに人がいるってことは『お祭り』っていうのをやってるんでしょ?本で読んだよ!」フンス

シンドバッド「ああ?いや、普通の平日じゃねぇか?」

ラプンツェル「普通の日なのにこんなに人がいるの!?」

キモオタ「まぁラプンツェル殿からしたら驚きでしょうなwwwしかしまぁなんというか、男性が極端に多いのはともかくとして・・・」

ティンカーベル「なんだかちょっと暗いね。活気はあるんだけど・・・なんていうか」

シンドバッド「まぁどこの家も娘がいれば王に殺されただろうし、ガキがいる家は子供の成長が楽しみでありながら恐怖だってんだから・・・暗くもなるってのは解るがな」

ラプンツェル「うーん・・・こんなにいっぱい人がいるのにみんなは楽しくないんだね?外の世界ってみんな大変なんだなー・・・」

370: オプ速さん 2015/02/02(月)23:02:29 ID:Bvd
シンドバッド「さっきから聞いてるとラプンツェルはどこかの塔にいたのか?」

ラプンツェル「うん!生まれたときからずっと塔に住んでた!だから今いろんなものが見れてすごくワクワクしてる!」キョロキョロ

シンドバッド「そうか、なんだったらシェヘラザードとの話が終わったら街を案内して貰えばいい。まぁシェヘラザードもローブになっちまうから端から見たら不振な集団になっちまうが」

ラプンツェル「ううん!案内してほしい!私、シェヘラザードにお願いしてみるよ!おもしろそうなものもあるしいい匂いの食べ物もあるし・・・楽しみ!」ニコニコ

シンドバッド「・・・おい、キモオタ」ヒソヒソ

キモオタ「なんでござるかwww」ヒソヒソ

シンドバッド「ラプンツェルはアレだな・・・世間知らずみてぇだが何つぅか守ってやりたくなるタイプだな!お前、ラプンツェルの好みとか解るか?」ヒソヒソ

キモオタ「ちょwwwしかしあれですぞwwwラプンツェル殿には心を決めた王子殿がいる故www」ヒソヒソ

シンドバッド「チッ・・・男持ちか。でもまぁ関係ねぇ、恋に障害は付き物ってな。男がいようと俺はあいつをモノにしてみせるぜ?」ヒソヒソ

ティンカーベル「なになに?何の話?」

シェヘラザードの声「シンドバッド!小声でしゃべっても全部聞こえているんですよ!相手がいる女性を口説こうとするとは何事ですか・・・!あなたはまったく懲りてないじゃないですか!あの時も・・・」

キモオタ「ちょwwwバレてますぞwww」

ティンカーベル「あっ!ラプンツェルに何かしようとしたんでしょ!シンドバッドダメだよ!ラプンツェルには王子がいるんだから!」

シンドバッド「ガキだなティンカーベル、そんなのは大人の恋愛には通用しないんだよ」ニヤニヤ

ティンカーベル「ダメなものはだめなの!」

シェヘラザードの声「あなたって人は・・・!よく恥ずかしげもなくそのようなことを・・・!」

シンドバッド「あーあーうるせぇなぁ・・・・・・おい、ラプンツェル。この指輪やるから、ローブのポケットの奥につっこんどけ。二度と出さなくていい」





シンドバッド「ん・・・?おい、ラプンツェルはどこだ・・・?」

ティンカーベル「えっ・・・?さっきまでそこに居たよ!?」

キモオタ「ラプンツェル殿の姿が消えたですと・・・!?これはまずいのではないですかな!?」

371: オプ速さん 2015/02/02(月)23:05:33 ID:bIl
今更ですが、
【アラビアンナイト】のあらすじがないので、
できれば書いてもらえませんか?

374: オプ速さん 2015/02/02(月)23:16:19 ID:Bvd
>>371
本編でも触れるからとりあえずざっくりとしたあらすじだけ。

あるところの国王はとある理由から女性不信になってしまいました。
それからというもの王は毎晩一人づつ処女を連れてくるように大臣に命令します
そして処女と一晩過ごすと翌朝には殺してしまう。その繰り返しをしていました。

やがて国から処女が消えていくと、大臣の娘であるシェヘラザードが王の相手をすることになりました
シェヘラザードは大臣である父のため国のため王のため
王の愚行を正すためにある計画を立てます

その計画とは、王にお話を聞かせること。

果たしてシェヘラザードの計画はうまくいくのでしょうか?

という感じかね。詳細はwikiとかでもでてくるからどうにも気になるならチェックしてみてね

381: オプ速さん 2015/02/03(火)21:38:36 ID:LI8
アラビアンナイトのお話やキャラ説明欲しいって声あったから
このスレ本編に出てくる予定のキャラだけ補足していきます。

【アラビアンナイト】
あらすじ>>374

・シェヘラザード
このおとぎ話の主人公。国王の愚行を止めるために一肌脱ぐ若い女性。
国王に毎晩おとぎ話を聞かせていく。
【アラビアンナイト】はシェヘラザードが王へおとぎ話を聞かせているという展開で進むため、原作はクッソ長い。
このスレではアラビアンナイトの中のおとぎ話を束ねているので他の主人公と面識がある。褐色美少女。

・国王
女性不信で毎朝一人づつ女性を殺す恐ろしい王。
・・・に見えるが、同情物のトラウマを抱えている(その内容は本編で)

・大臣
シェヘラザードのお父さん。苦労人。

382: オプ速さん 2015/02/03(火)21:49:14 ID:LI8
【船乗りシンドバッドの冒険】
シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
第一の冒険から第七の冒険まであり、どれもシンドバッドが持ち前の勇敢さ思慮深さや強運などで大冒険を繰り広げるお話。基本的にちゃっかり金目のものを手に入れる印象が強い。最終的には巨万の富を得る。

・シンドバッド
このおとぎ話の主人公。冒険が大好きな青年。勇敢。
このスレでは女性に目がない。相棒のロック鳥の背中に乗り、【アラビアンナイト】の世界の侵入者を捕まえたり、他のおとぎ話の女性を口説いたりする。褐色イケメン。チャラい。

・ロック鳥
第二の冒険で登場する馬鹿デカい怪鳥。肉食。
このスレでは世界移動の能力を持つ。シンドバッドの相棒

384: オプ速さん 2015/02/03(火)22:05:50 ID:LI8
【ヌレンナハール姫と美しい魔女】
シェヘラザードが王に聞かせたおとぎ話のひとつ
子供向け絵本や童話集では【魔法のじゅうたん】で乗ってることが多い。
三人兄弟の王子がそれぞれが持つ魔法具の力を合わせて姫を救うというお話。このスレでは名前がでる程度。

・アリ王子
長男。空を飛ぶ不思議なじゅうたんの所有者
・ハサン王子
次男。念じればどんなに遠くのものを見通せる象牙の望遠鏡の所有者
・フサイン王子
三男。香りをかぐだけでどんな病気も治る不思議なリンゴの所有者

385: オプ速さん 2015/02/03(火)22:11:54 ID:LI8
【アラジンと魔法のランプ】
シェヘラザードが王へ聞かせたおとぎ話のひとつ
貧しい少年アラジンが不思議なランプを手にするおとぎ話。
ディズニーの印象が強く、魔法のランプで叶えられる願いは3つと思われがちだが原作では制限がない。願い事叶え放題である
ただし、このスレでは3つという回数制限がある。理由は今後本編で。

・アラジン
貧しい少年。このスレではきっと出番がない。

・ランプの魔神
ランプの所有者の願いを叶える魔神、アラジンよりは出番がある予定だがラプンツェルとアラビアンナイト編ではきっと出てこない。

400: オプ速さん 2015/02/04(水)20:03:23 ID:GXG
その頃 キモオタ達から少し離れた通り

ザワザワ ザワザワ

ラプンツェル「わー・・・!右を向いても左を向いても診たこと無い物ばっかり・・・!」ワクワク

ラッシャイラッシャイ! ラッシャイラッシャイ!

ラプンツェル「あれなにかな、おいしい匂いがする・・・」テクテク

屋台のおっさん「らっしゃい!そこのローブのお客さん!ターメイヤどうだい?作りたてだよ!」

ラプンツェル「・・・・・・建物の外なのにキッチンがある!」キラキラ

屋台のおっさん「おぉ?お客さん、屋台を見たこと無いのかい?旅人かな・・・故郷には屋台無かったのかい?」

ラプンツェル「故郷?えっと、私の塔の中には無かった!」

屋台のおっさん「ハッハッハ!そりゃそうだ!・・・ってローブで気がつかなかったが、あんたまだ若いお嬢ちゃんじゃねぇか・・・!」

ラプンツェル「うん、そうだよ?」

屋台のおっさん「悪い事言わねぇ、この国からすぐに出て行った方がいい。聞いたことないのかい?他国でも噂になってるんだろう?女殺しの狂王・・・!うちの王様だ、お嬢ちゃん可愛いから狙われちまうぞ!」

ラプンツェル「ねぇねぇおじさん!この食べ物おいしい?」キラキラ

屋台のおっさん「聞いちゃいねぇ・・・まぁ、ローブ着てりゃバレねぇか・・・」

401: オプ速さん 2015/02/04(水)20:17:01 ID:GXG
屋台のおっさん「こいつはターメイヤ。そらまめのコロッケだ。作りたてだからあつあつでうめぇぞ!」

ラプンツェル「でも、お金無いんだ。私買い物したこと無いからー・・・」ジーッ

屋台のおっさん「そりゃすげぇな・・・お嬢ちゃん一人旅って訳でも無いだろうし、財布は連れが持ってるのかもな」

ラプンツェル「・・・そうかな?わかんない」ジーッ

屋台のおっさん「・・・・・・」

ラプンツェル「・・・・・・」ジーッ

屋台のおっさん「しょうがねぇな・・・お嬢ちゃん可愛いからひとつだけな?」スッ

ラプンツェル「これ、私が貰ってもいいの?」キラキラ

屋台のおっさん「おう、若いお嬢ちゃんなんか久しぶりに見たしな。旅するお嬢ちゃんに俺からの餞別よ。その代わり内緒な」ヘヘッ

ラプンツェル「ありがとうね、おじさん!熱い・・・!ふーふーっ・・・もぐもぐ」モグモグ

屋台のおっさん「昔はこのあたりにも嬢ちゃんみたいなのがたくさん居たんだがなぁ・・・」

402: オプ速さん 2015/02/04(水)20:27:50 ID:GXG
ラプンツェル「ごちそうさま!美味しかったよ、なんだかね・・・食べたことない味だった」

屋台のおっさん「そりゃよかった、気をつけて行きな。国境はまだ遠いから・・・」

ラプンツェル「ねえおじさん。私ね、お礼がしたいんだけど何したらいいかな?手伝ってほしいことある?」バサッ

屋台のおっさん「いや、嬢ちゃん気にするなって。それよりフードフード、目立たないようにしねぇと・・・」

ラプンツェル「それじゃあおじさんがさっき言ってたらっしゃいって奴!あれ手伝ってあげるよ!・・・えっと、確か・・・呼び込み!」ニコニコ

屋台のおっさん「おいおい、俺の話を聞けって・・・お嬢ちゃん目立つのは本当にマズいんだおい!」

ラプンツェル「いらっしゃいいらっしゃーい!美味しい食べ物だよ!やさしいおじさんが作ってるよー!」ニコニコ

ザワザワ ザワザワ

「ほう、若い女の子とは珍しい・・・どれワシも貰おうか」
「フヒヒ、かわいい女の子だなぁ・・・俺にもコロッケを頼むよ」
「おい!あっちのコロッケ屋台にかわいい女の子が呼び込みやってるってよ!」
「なに!?行くしかねぇ!」

ザワザワ ザワザワ

403: オプ速さん 2015/02/04(水)20:42:15 ID:GXG
コロッケクレー コッチニモクレー オレニモクレー

屋台のおっさん「うおぉ・・・急に忙しくなりやがった・・・!」ドタバタ

ラプンツェル「よかったね!コロッケたくさん売れるよ!」ニコニコ

屋台のおっさん「そりゃあ良いんだが・・・あぁ、はい!おまちどう!これお釣りね!ああ、ハイハイ・・・ターメイヤ3つね・・・ああ忙しい!」ドタバタ

ラプンツェル「おじさん嬉しそうで良かった、じゃあもうちょっと頑張ろうかな!」ニコニコ

王国兵士1「あのぅ、お嬢さん。ちょっといいかい?」

ラプンツェル「うん!お兄さんもコロッケ欲しいの?今ね、ちょっと忙しいから時間かかっちゃうかも」

王国兵士2「いや、コロッケはいらない。我々は君に用がある。君の名は?」

ラプンツェル「ラプンツェルだよ、お兄さんたちは?」

王国兵士1「我々は王国兵士。今日は王様の今晩のお后を探しに来たんだけどもう国には若い女性がいないから君n」ドンッ

王国兵士2「おい!正直に言って逃げられたらどうするんだ、もしも手ぶらで帰ったら俺達が処刑されてもおかしくないんだぞ!」ヒソヒソ

王国兵士1「そうか・・・えっと、ちょっと我々に付いて来て欲しいんだ。その・・・そうだ、友達!友達を欲しがっている人がな居てね、是非ラプンツェルちゃんにお願いしたいんだよ。そうだよな?」

王国兵士2「ああ、頼めるか?」

ラプンツェル「友達が欲しい人・・・いいよ!私も友達は多いほうが良いから遊びに行くよ」ニコニコ

王国兵士2「それは良かった、では我々に付いてきてくれ。すぐ近くだ」

404: オプ速さん 2015/02/04(水)20:51:55 ID:GXG
・・・

シンドバッド「おい!キモオタ!ティンク!見つかったか!?」

キモオタ「こっちの通りには居ませんでしたぞ・・・!」ゼェゼェ

ティンカーベル「あっちもダメだった!どこ行ったのかな・・・変に目立ってないといいけど・・・」

シンドバッド「クソッ!もしも王国の人間に見つかったら面倒だぞ・・・どこにいるんだラプンツェルは!」バンッ!

シェヘラザードの声「落ち着きなさいシンドバッド。冷静さを失ってはなりません。ローブ姿なら目立つことはないはず、仮に誰かに連れ去られたのだとしたらそれは恐らくローブを脱いだか・・・周囲に女性だと知られたからでしょう。
そう考えれば、必ず誰かがラプンツェルを見かけているはずです。この国では若い女性ほど目立つもの無いのですからね」

シンドバッド「そうだな・・・となると手っ取り早いのは聞き込みだ。人が集まりそうなところ・・・」

キモオタ「商店の多いところとかですかな・・・」

ティンカーベル「そういえば、さっき食べ物の屋台が並んでる所が凄く賑わってた!」

シンドバッド「その辺りに行ってみるか、急ぐぞ!」ダダッ

405: オプ速さん 2015/02/04(水)21:07:42 ID:GXG
おっさんの屋台付近

ザワザワ ザワザワ

じいさん「いやー・・・あのコロッケ屋にあんな可愛らしい娘がおったとは」ホクホク

シンドバッド「おい、じいさん。あのコロッケ屋台・・・女がいるのか?」

じいさん「そうじゃ、さっきまで呼び込みをしておったぞ。金髪で長い髪のなぁ・・・ワシにも髪の毛をわけてほしいくらいじゃて」

キモオタ「ラプンツェル殿ですな・・・!何故に呼び込みなど・・・」

ティンカーベル「聞いてみようよ!屋台のおじさんに!おじさーん!」ピュー

屋台のおっさん「へい、らっしゃい!」ゼェゼェ

シンドバッド「らっしゃいじゃねぇぞおっさん!ここで金髪の女が客引きやってたって聞いたが、どこの女だ?」

屋台のおっさん「どこのって・・・旅の嬢ちゃんさ。コロッケサービスしてやったら客引きしてくれるってな、しかし思った以上に客が来ちまって・・・どこかそのあたりにいないか?」

キモオタ「とてもいるようには見えませんがな・・・どこへ行ったのやら・・・」

屋台のおっさん「なんだと・・・!忙しすぎて気にしてなかったが・・・まさかあの嬢ちゃん・・・!」ガクガク

太ったおっさん「・・・ん?あんたら、あの嬢ちゃんを探してんのか?」モシャモシャモシャモシャ

ティンカーベル「そうだよ!おじさん、何か知ってるの?」

太ったおっさん「ああ、あの娘なら王国兵士と一緒にどこかへ行ってるの見たぞ、王宮じゃないか?」モグモグモグモグ

キモオタ「なんですと・・・!恐れていたことが・・・!」

407: オプ速さん 2015/02/04(水)21:20:50 ID:GXG
シンドバッド「クソッ・・・聞いてたな、シェヘラザード?」

シェヘラザードの声「はい。これは・・・まずいですね。ラプンツェルさんの命に関わります」

シンドバッド「王宮に誰かが行くしかないが・・・救えなかった時の保険として、少し早いがお前が王の所へ行くしかないな」

シェヘラザードの声「賛成です・・・最悪の状況を想定して、私がすぐに行動できるようにしておきたいです。シンドバッドは私の屋敷へ来てください」

シンドバッド「ああ、わかった。だったら・・・ラプンツェルを救いに王宮へ行くのはキモオタとティンクの仕事だ。いいな?」

ティンカーベル「いくよ!悪い王様に会ったらひどい目に合わされちゃうかもだからね、急ぐよキモオタ!」ピュー

キモオタ「ちょ、ティンカーベル殿落ち着いて頂きたい!慌ててはいけませんぞ!急ぎつつもクールに行かねば!」

シンドバッド「おい、キモオタ。俺はシェヘラザードと合流する。もしもの時のために、指輪はおまえが持っとけ」ピーン

パシッ

キモオタ「わかりましたぞ!では行きますかな、ティンカーベル殿!ラプンツェル殿の貞操と命を守りに・・・!」

408: オプ速さん 2015/02/04(水)21:45:28 ID:GXG
シェヘラザードの屋敷

シェヘラザード「キモオタさん達は王宮へ辿り着いた頃でしょうか・・・そろそろシンドバッドも・・・」

バタバタバタバタバタ 

大臣「・・・シェヘラザード!」

シェヘラザード「お父様。どうなされたのですか?そのように慌てて・・・まだ仕事中ではないのですか?」

大臣「部下に任せて来たんだ、お前から魔法の指輪で『今晩、国王の元へ嫁ぎます』などと連絡があったからな・・・!」

シェヘラザード「以前からお伝えしていたとおりではありませんか。客人の女性が王国兵士に連れて行かれたようなので・・・少し予定を早めただけです」

大臣「わ、わかっている!お前が王へ嫁ぎ、愚行を改めさせるというのだろう?それはわかっているが・・・あの国王は昔のようにやさしくは無いのだぞ。今や女殺しの狂王などと呼ばれて・・・いくらお前が昔から顔なじみだといってもだな・・・」

シェヘラザード「・・・お父様。だからこそなのです、私は国王に昔の優しかった心を取り戻して欲しいのです。ですから、私が立ち上がらねばならないのです。私は憎しみに沈む国王も、苦しむお父様も、衰退していくこの国も見たくはありません」

大臣「しかし・・・お前が例え王に殺されなかったとしてもだ、まだ16歳程度の娘を嫁に出すのは・・・親として心配なのだよ」

シェヘラザード「ご心配には及びません。私は一人ではありません。シンドバッド、アリババ、モルジアナニやアリ王子達・・・多くの仲間がいますから。それに私は覚悟こそしていますがタヒぬつもりなどありません」

大臣「そうか、それならばもう止めるのはよそう・・・ただ、どうかタヒなないでくれ、シェヘラザードよ。お前は私の大切な娘なのだ。愛しているよ、シェヘラザード」ギュウ

シェヘラザード「私もです、お父様」ギュッ

419: オプ速さん 2015/02/05(木)19:50:35 ID:iyh
>>417
ざっとこんな感じだと思います。だいたいの年齢ね
このssでの設定だから原作の年齢とは差があるけど

キモオタ・・・20代
ティンカーベル・・・年齢不詳
シンデレラ・・・17歳
裸王・・・36歳
赤鬼・・・20歳
赤ずきん・・・12歳
マッチ売り・・・9歳
桃太郎・・・17歳
ラプンツェル・・・17歳
シェヘラザード・・・16歳
シンドバッド・・・22歳

419: オプ速さん 2015/02/05(木)19:50:35 ID:iyh
>>416
ざっとこんな感じだと思います。だいたいの年齢ね
このssでの設定だから原作の年齢とは差があるけど

キモオタ・・・20代
ティンカーベル・・・年齢不詳
シンデレラ・・・17歳
裸王・・・36歳
赤鬼・・・20歳
赤ずきん・・・12歳
マッチ売り・・・9歳
桃太郎・・・17歳
ラプンツェル・・・17歳
シェヘラザード・・・16歳
シンドバッド・・・22歳

420: オプ速さん 2015/02/05(木)20:02:08 ID:iyh
王宮・・・中庭の茂み

ガサガサ ヒソヒソ

キモオタ「うまく忍び込めましたなwww我々、幾度となく旅を重ねた結果、城に正門から入るのは時間がかかると学習しておりますからなwww」ココソコソ

ティンカーベル「裸王のとこ以外はね・・・じゃあラプンツェルを探さなきゃ!・・・あっ!誰か来たよ!隠れて隠れて!」ヒソヒソ

ガサガサ

王国兵士2「おい!どうだ!見つかったか!?」バタバタバタ

王国兵士1「いや、こっちには居なかった!やばいよ、どこ行っちゃったんだあの娘・・・」

王国兵士2「クソッ!応接室で待ってろと言ったのに目を離した隙に消えるとは・・・もしや感づかれたか!?」

王国兵士1「いや、それは無いでしょ・・・王が友達を欲しがってるって言ったら簡単に騙せちゃうような女の子なんだぜ?」

王国兵士2「だがどっちにしろ、新しい女を探してくる余裕は無い。急がないと、マズいぞ・・・俺は宮殿の奥を探す。お前は門番に出て行った奴がいないか聞いてくれ」

王国兵士1「うん、わかった。行ってくる」

ガサガサ

ティンカーベル「あいつらに騙されてついてきちゃったんだ、でもどこかに行っちゃったのか・・・この宮殿でラプンツェルが行くとしたら・・・」

キモオタ「おそらう、王の間でしょうな。友達になりたいと思っている王がいるとなれば自ら会いに行くでしょうからなwwwラプンツェル殿はwww」

ティンカーベル「かもね、ラプンツェルは塔ではずっと待っててばかりだったし・・・じゃあ王の居場所探そう!」

424: オプ速さん 2015/02/05(木)20:18:43 ID:iyh
王の間

国王「・・・側近」

側近「は、はっ!何でございましょう!」

国王「今宵、我の妻となる女は見つかったのか・・・?昨日はもうこの国に若い女は居ないなどと不抜けた事を抜かしておったが・・・」

側近「は、はい!随分前に兵士二人を街へ送り出しましたので、そろそろ見つかっている頃と思いますが」

国王「・・・見つかっていると思う、だと・・・?」ギロリ

側近「ひっ!」ガタッ

国王「貴様のような側近風情が・・・この王に『思う』などと不確かな返事を返すのか・・・?」

側近「す、すぐに確認して参ります!!」ドタバタ

国王「・・・・・・使えぬ奴目め」フンッ

国王「・・・・・・」

国王「・・・・・・時間を持て余してしまうな、本でも読むとするか・・・ん?」

カタッ 

国王「扉が勝手に・・・いや、気配がする。おい、そこに居るのは誰だ・・・?」

ヒョコ

ラプンツェル「あ、やっと人が居たよ!ねぇねぇ、国王ってどこにいるかおじさん知ってる?」ニコニコ

国王「っ・・・!何者だ、貴様は・・・!」ジャキン

425: オプ速さん 2015/02/05(木)20:31:33 ID:iyh
ラプンツェル「剣・・・!おじさんそんなの振り回したら駄目だよ、それは戦う道具だって私は教わったよ?」

国王「ほう、娘・・・あくまでお前は我の敵ではないと主張するのか。この国王に舐めた口の効き方をしておいて・・・図々しい奴だ」チャキ

ラプンツェル「・・・あっ!おじさんが国王だったんだ!?」

国王「反省はしていないと解釈するぞ。さぁ、答えろ。貴様は何者だ・・・何のためにここにいる?刺客には見えないが・・・他国のスパイか・・・」

ラプンツェル「私はラプンツェルだよ!国王の友達になりに来たんだけど・・・」

国王「友達だと?この我が・・・貴様のような小娘を相手にするわけが無かろう・・・!」

ラプンツェル「あれ・・・?おかしいなぁ・・・さっきの兵士達はそう言ってたけど・・・聞き間違えちゃったかな・・・?」

国王「よくわからぬ奴だが・・・貴様は無断で我の宮殿に立ち入った侵入者。この手で即刻、排除してやろう・・・!」ジャキン

ラプンツェル「・・・っ!」

国王「無礼者が・・・!タヒね・・・!」

427: オプ速さん 2015/02/05(木)20:45:53 ID:iyh
ジャキーン

ティンカーベル「ラプンツェル!逃げてー!!」ピュー

ドスドスドスドス

キモオタ「うおおおぉぉぉ!!!ラプンツェル殿おおおぉぉぉ!!」ズサァァァーー

ドンッ

ラプンツェル「わっ!」ドシーン

国王「・・・っ!」ピタッ

キモオタ「ゼェゼェ・・・なんとか助かりましたな・・・!緊急事態故、転ばせたことは大目に見ていただきますぞラプンツェル殿!」

国王「貴様等・・・新手の侵入者か。貴様等もこの国王がまとめて殺してくれるわ・・・!」ジャキ

ティンカーベル「助かってないよ!どうする?キモオタ・・・!?」

キモオタ「ちょ、待っていただきたい!国王殿・・・!」

国王「問答無用!我は侵入者などに貸す耳はもっておらん!」

シェヘラザードの声「キモオタさん!キモオタさん!なんだか大変な状況のようですね。今から言うことを王に伝えてください!」

キモオタ「シェヘラザード殿!どうしたらいいですかな!?」

429: オプ速さん 2015/02/05(木)21:01:20 ID:iyh
国王「まずは貴様だ!薄汚い豚めが・・・!」ジャキ

キモオタ「ま、待っていただきたい!我々、大臣殿の紹介でここに来たのでござる!」

国王「大臣だと・・・?貴様、寄りによって我が重臣の名を持ち出して嘘を吐くとは・・・!」

ティンカーベル「違うよ!嘘じゃないよ!私はティンカーベル、旅の者だよ!」

キモオタ「申し遅れましたぞ、我輩はキモオタ・・・旅の者でござる。我々は大臣殿の娘、シェヘラザード殿の友人でござる!今宵、シェヘラザード殿が国王殿の妻となるのだと聞いた故・・・!」

国王「シェヘラザードが・・・我の今宵の妻だと?」

ラプンツェル「そうなの?私そんなの初めてきいt」モガモガ

ティンカーベル「ラプンツェルは私と一緒に静かにしてよう!ね?」グイグイ

キモオタ「シェヘラザード殿が急に国王殿に嫁ぐことになり・・・我々は友達なのにお別れも言えぬままでござる!それを見た大臣殿がならば王宮へ行ってみるがよいと言ってくださったのですぞ!」

国王「・・・信じるわけではないが、真実だとしたら貴様を斬り殺すことは出来ぬ、我の重臣の紹介だというのならばな」

キモオタ「ラプンツェル殿がなにやら粗相をしたことに関しては申し訳なかったでござる!なにとぞ許していただきたい!」

430: オプ速さん 2015/02/05(木)21:14:40 ID:iyh
国王「・・・貴様等が侵入者で無かったにせよ、そこの長い髪の娘に無礼な態度をとられたのは事実・・・そうだな・・・キモオタよ、お前は旅の者だと言ったな?」

キモオタ「そうでござる。様々な世界・・・いや国をティンカーベル殿と旅しているのでござる」

国王「我は暇を持て余している。国王という立場故になかなか旅にでることもできず、国外の愉快な話題に飢えている」

キモオタ「と、いいますと・・・」

国王「どこか遠くの世界・・・ここではないどこかの愉快な話をして、我に聞かせてみよ。その話に我が満足すれば、此度の無礼は水に流してやる。今宵嫁にくるというシェヘラザードにも会わせてやろう」

ラプンツェル「うんうん、私も塔にいたからわかるけどずっと閉じこもってたら外のお話聞きたくなるもんね、わかるよ私もその気持ちー」

ティンカーベル「キモオタ!国王様に話そうよ!今までの旅のこと!そうしたらラプンツェルのこと許してくれるんでしょ?」

キモオタ「そうですなwwwでは、お話しいたしますぞ、国王殿」

431: オプ速さん 2015/02/05(木)21:33:49 ID:iyh
数時間後

・・・

・・・

・・・

・・・

キモオタ「というわけで、我々の旅の話はここまででござるwww」

国王「ふむ、なかなか興味深い話だったぞキモオタ。我も国王という立場がなければ旅にでることができるというのに・・・!」

ティンカーベル「でも大変なこともたくさんあったよねー」

国王「それはそうだろう、だが王宮にいては新たな出会いも無いからな。それがどうだ!お前達は聞くも愉快な仲間に巡り会えたと言うではないか。特に大規模な国家を栄えさせておきながら常に半裸だという国王の話は傑作だったぞ」

ラプンツェル「裸王だっけ?私もその人は特に気になるよ、いつか会ってみたいなー」ワクワク

ティンカーベル「なんていうか・・・裸王は凄まじいよ!でもね国民のこと考えてくれてるからみんなに好かれてるの!裸だけど!」

国王「・・・我とは違い、善政を執り行う国王か・・・」

ラプンツェル「ねぇねぇ、私ね?気になってたんだけど・・・なんで国王は女の人を殺しちゃうの?」

国王「・・・・・・」

キモオタ「ちょwwwラプンツェル殿wwwなんでそんなこと聞いてしまうのでござるかwww」

国王「まぁ良かろう。キモオタ、その娘の言葉遣いはいずれなんとかしろ・・・我が女を殺す理由が聞きたいのなら聞かせてやろう」

国王「愉快な話を聞いた礼代わりだ・・・もっとも、我の話は全く楽しくない話だがな」

432: オプ速さん 2015/02/05(木)21:47:41 ID:iyh
キモオタ「国王殿が毎日一人、若い娘を殺していく理由・・・我が輩も気になりますぞ」ヒソヒソ

ラプンツェル「でしょ?きっと理由があると私は思うんだよね」ヒソヒソ

ティンカーベル「【アラビアンナイト】のおとぎ話の内容でもあるわけだしね・・・ちゃんと聞いておこう」ヒソヒソ

国王「数年前・・・我の元に弟が訪ねてきた。あいつも我と同じく国王の座に付いているんだが・・・せっかく久しぶりに兄弟が顔を合わせたと言うのにあいつはなにやら傷心の様子でな、ずっと落ち込んでいる」

国王「だから我は理由を聞いたのだ。すると弟はこう言った『妻の不貞を目撃してしまった』と」

キモオタ「ほう・・・」

ラプンツェル「ティンクティンク!ふてーってなに?」

ティンカーベル「なんだろう・・・キモオタわかる?」

キモオタ「要するに国王殿の弟殿は奥さんに不倫されたということでござるよ」

ティンカーベル「不倫!お昼のテレビでやってた奴だ!好きな人がいるのに他の人好きになっちゃう人でしょ!?」

キモオタ「まぁそうでござるけどwwwあまり国王殿の話の腰を折るのはよろしくないですぞwww静かに聞くでござるよwww」

ラプンツェル「そうだね!もう口挟まないよ、国王続き話して話して!」

433: オプ速さん 2015/02/05(木)22:01:29 ID:iyh
国王「弟が言うには、宮殿を出発したはいいが私への土産を忘れたことに気がついて取りに帰ると、その妻が奴隷の男と寝ていたという」

国王「我は耳を疑ったが、弟がふさぎ込んでいたためしばらく宮殿に泊まっていくよう勧めた。しかし、数日後・・・我が別の用事で宮殿を留守にしている間、弟があるものを目撃したと教えてくれたのだ。キモオタよ、なんだかわかるか?」

キモオタ「わかりませんな・・・ただ、嫌な予感しかしないでござる」

国王「我はまたも耳を疑った、信じられなかったのだ・・・いや、信じたくなかったのかもしれない。思わず弟を怒鳴りつけてしまったが・・・我もその現場を目の当たりにして、信じざるを得なかった」

国王「元妻は事もあろうに、我の留守中に男女複数の奴隷を集め淫靡に耽っていたのだ・・・!信じられるか・・・!キモオタよ!あの女は我を愛しているなどと口では調子のいいことを言い、見えぬところでは痴態の限りを尽くしておったのだぞ!?」

キモオタ「なんという・・・普段ならば『それなんてエ□ゲwww』と返すところでござるが、実際に起きたこととなると洒落になりませんな・・・」

ラプンツェル「ねぇ、ティンク。私、国王の言ってることほとんどわかんないんだけど、どうしよう・・・?」

ティンク「私もわかってないし、あとでキモオタに聞こう。また話の腰折ったら起こられるかもしれないし!」

国王「私はもう、妻が・・・女が・・・信じられなかった!」

434: オプ速さん 2015/02/05(木)22:14:51 ID:iyh
国王「我はそれまで国のため、国民のため・・・尽くしてきたというのに・・・!」

キモオタ「国王殿・・・なんというか・・・かける言葉がみつかりませんな・・・」

国王「即刻その女と奴隷どもは処刑した。独り身となった我に是非新たな妻にと女を紹介されたが・・・もう、我は女というものを信用できなくなっていた。ただただ疑念と憎悪を感じるだけだった、愛情というのがどのような感情だったのかさえ、思い出せずにいた」

国王「ただただ、不快だった。そして、大臣に命じたのだ。国中の若い娘を毎日一人我に嫁がせよと、そしてその娘は翌日には処刑するともな」

国王「タヒ人に口無しと言うが・・・その通りだ、殺してしまえばその女は嘘をつかない、裏切ることはない、一夜限りで殺してしまえばもう我は妻に不貞を働かれることはない」

国王「それが・・・我が女殺しの狂王と呼ばれるようになった理由だ」

キモオタ「我輩、同じ男として・・・さすがに同情してしまいますな・・・」

435: オプ速さん 2015/02/05(木)22:28:40 ID:iyh
ラプンツェル「えっと・・・私は国王のお話の意味はほとんどわからなかったけど・・・大好きだった人に裏切られちゃったの?」

国王「物凄く平たく言うとすればそうだ」

ティンカーベル「それで女の人が信じられなくなっちゃって・・・それで殺しちゃうのか・・・」

国王「そうだ。我はむしろ被害者なのだ・・・それを誰も理解できない。いや、そんな事を望んでいるわけではないのだ」

ラプンツェル「でも、みんながみんなそうじゃないよ?私ね、王子と離ればなれになったけど、今もちゃんと王子のこと好きだよ?」

国王「口ではどうとでも言えるのだ。貴様も時がたてばその王子とやらとは別の男に惚れるのだ」

ラプンツェル「そうかなー?そんな事絶対無いと思うなー?塔に王子が遊びに来てくれた毎日はすっごく楽しかったよ?ティンクちゃんが気づかせてくれたけど、私は王子に恋してるんだ。それはきっと王子だけ特別なんだよ。だから他の人には恋はしないよ?」

国王「・・・この議論は止めだ、堂々巡りになるだけだからな。とにかく我はもう女を信じない」



ティンカーベル「・・・大丈夫かな、シェヘラザード・・・こんなところに嫁ぐって言ってたけど・・・」

キモオタ「シェヘラザード殿には考えがあるのでござろう・・・我々はできる限りの協力をするだけでござるよ」

446: オプ速さん 2015/02/06(金)20:01:37 ID:Xke
コンコン

側近「失礼いたします。国王様、今宵の王妃様をお連れいたしました」ペコッ

国王「ああ、通せ。お前達も残れ、シェヘラザードに会いたいと言っていただろう」

キモオタ「そうでしたなwwwではお言葉に甘えますかなwww」

ラプンツェル「シェヘラザードって、シンドバッドの指輪から話してた人だよね。どんな人なのかな?」

スッ

シェヘラザード「・・・お久しぶりでございます。国王様」ペコリ

国王「そうだな、最後に会ったのは数年前か?」

シェヘラザード「はい。不束者ではございますが、このシェヘラザード・・・王妃として精一杯国の繁栄に尽力致します」

キモオタ「ほうwww砂漠地帯だけに褐色美少女とは鉄板ですなwww」ヒソヒソ

ティンカーベル「シンドバッドをちゃんと叱ったりしてたし落ち着いた印象だったからもうちょっとお姉さんかと思ったけど、ずいぶんと若いね」ヒソヒソ

447: オプ速さん 2015/02/06(金)20:19:28 ID:Xke
ラプンツェル「銀髪の女の子って初めて見たよ!シェヘラザードは可愛いね!」ニコニコ

国王「ん?初めて見た・・・?お前達はシェヘラザードの友人なのではないのか・・・?」

キモオタ「ちょwww国王殿wwwあれですぞwwwラプンツェル殿は久しぶりに会ったから照れ隠しをしているだけでござるよwww」

ティンカーベル「そうだよ!なにもおかしくないよ!」

ラプンツェル「えぇ?でも・・・・・・」

シェヘラザード「・・・ええ、彼等は私の友人です。ですが、せっかく来ていただいて申し訳ないのですが・・・私は国王様と二人きりで夕食の席に着きたいのです」チラッ

キモオタ(今の目配せ・・・一度、我々に引くようにとのことでござろうな・・・)

キモオタ「そうでござるかwwwでは我々は失礼しますかなwww」

シェヘラザード「はい。ですが、彼等ともこの場にいない友人とも別れの言葉を交わせていないのです。国王様、どうか今宵わずかな時間でかまいませんので私に友人との別れを惜しむ時間を頂けないでしょうか?」

国王「・・・構わんぞ」

シェヘラザード「ありがとうございます。ではティンクさん、ラプンツェルまた後程お会いしましょう」ニコッ

ラプンツェル「うん、わかったよ!またあとで会おうね!」

ティンカーベル「そうだね、またね!シェヘラザード!」

449: オプ速さん 2015/02/06(金)20:31:53 ID:Xke
・・・

国王「・・・良かったのか?あいつらはお前に会いに来たのだろう?」

シェヘラザード「はい、後ほど彼等と会話を交わすことを許可していただきましたので。それに私はもう国王様の妻でございます、少しでも早く今の国王様のことを理解したいのでございます」

国王「だから二人きりで食事をとると?そのような事に意味があるとは思えないがな。お前は明日の朝には処刑されるのだぞ?」

シェヘラザード「はい、覚悟の上でございます」

国王「よもや、自分は大臣の娘なのだから殺されないとでも思い上がっているのではあるまいな?」

シェヘラザード「そのようなことは決してございません。私がここに参じたのは国王様との約束を守るためにございます」

国王「約束・・・?なんだそれは」

シェヘラザード「お気になさらず、私が幼少の頃の他愛もない戯れでございますので」

国王「・・・まぁよい。お前が我との食事を望むというのならば構わぬが、おい誰か食事の支度をしろ」

側近「はっ!すぐに支度させます故!ダダッ」

シェヘラザード「・・・・・・」
449: オプ速さん 2015/02/06(金)20:31:53 ID:Xke
・・・

国王「・・・良かったのか?あいつらはお前に会いに来たのだろう?」

シェヘラザード「はい、後ほど彼等と会話を交わすことを許可していただきましたので。それに私はもう国王様の妻でございます、少しでも早く今の国王様のことを理解したいのでございます」

国王「だから二人きりで食事をとると?そのような事に意味があるとは思えないがな。お前は明日の朝には処刑されるのだぞ?」

シェヘラザード「はい、覚悟の上でございます」

国王「よもや、自分は大臣の娘なのだから殺されないとでも思い上がっているのではあるまいな?」

シェヘラザード「そのようなことは決してございません。私がここに参じたのは国王様との約束を守るためにございます」

国王「約束・・・?なんだそれは」

シェヘラザード「お気になさらず、私が幼少の頃の他愛もない戯れでございますので」

国王「・・・まぁよい。お前が我との食事を望むというのならば構わぬが、おい誰か食事の支度をしろ」

側近「はっ!すぐに支度させます故!ダダッ」

シェヘラザード「・・・・・・」

450: オプ速さん 2015/02/06(金)20:43:08 ID:Xke
王宮側の街 食堂

店員のおばちゃん「はいよ!おまちどう!ゆっくり食べていきなね!」

ドサッ

シンドバッド「さぁ来たぞ、金はシェヘラザードから預かってるんだ。遠慮なく食えよお前ら!」

ラプンツェル「わぁー!見たことない料理がいっぱいあるよ、どうやって作ってるのかなこれ・・・あとであのおばさんに聞いてみよう」モグモグ

キモオタ「ドゥフフwwwいやはやwww食べ慣れない料理ばかりでござるがどれも絶品ですなwww」ガツガツ

ティンカーベル「・・・・・・」

ラプンツェル「ねぇねぇおばさーん!この甘い飲み物おかわり欲しい!」ニコニコ

キモオタ「やはり揚げ物はどこの国で食べてもうまいですなwww店員殿、この揚げ物ももう一皿追加でwww」コポォ

シンドバッド「しっかり食っとけよ!今日は徹夜になりそうだからな!あぁ、俺にも酒のおかわりくれ」

店員のおばちゃん「あいよー!ちょっと待ってねー!」

ティンカーベル「もう!みんなはシェヘラザードが心配じゃないの!?あんな悪い王様のところにいるのに!もぉー!」プンスカ

451: オプ速さん 2015/02/06(金)20:53:15 ID:Xke
キモオタ「まぁまぁwwwシェヘラザード殿も考えがあって我等に出て行くように言ったわけでwww事実、そういう手筈だったとシンドバッド殿も言っていたでござろうwwwだから今は飲んで食うでござるよwww」コポォ

ティンカーベル「キモオタの白状もの!」パチーン

ラプンツェル「おばさーん!甘いのもう一個ちょうだーい!」

ティンカーベル「ラプンツェルはジュースばっかり飲み過ぎだよ!ちゃんとご飯も食べなよ!」プンスカ

ラプンツェル「食べてるよー、ティンクもぷりぷりしてないで食べようよ、美味しいよ?」

キモオタ「ちょwwwティンカーベル殿落ち着くでござるよwww指摘するところおかしいでござるしwww」

ティンカーベル「そりゃあね?シェヘラザードはおとぎ話の事情を知ってる主人公だってのはわかるよ。でもあんな若いのに悪い王様と二人きりって怖いと思うよ!?」

シンドバッド「まぁ聞けティンク。お前達が王宮に入り込んでちょっと予定は狂ったが、これは【アラビアンナイト】の筋書き通りだ、問題なく物語は進行してるんだ。慌てなくてもシェヘラザードは殺されねぇよ」

ティンカーベル「でもさぁ・・・私達、【アラビアンナイト】の内容よくわかんないから不安だったんだよ・・・」

シンドバッド「しかたねぇ、ざっと説明しておいてやるか・・・」

452: オプ速さん 2015/02/06(金)21:03:13 ID:Xke
シンドバッド「お前達は宮殿にまで入り込むことになったんだ、この国の事情はだいたいわかっただろ?」

キモオタ「そうですなwww国王はトラウマが原因で若い女性を殺して回っているということでござろうwww」ムッシャムッシャ

シンドバッド「ああ、そうだ。それで、シェヘラザードが王の元へ嫁ぐわけだな。これは王の愚行をやめさせる為だ」

ラプンツェル「じゃあシェヘラザードは王様を説得するためにお嫁さんになったの?」

ティンカーベル「あの国王でしょー?とても説得してわかってもらえるようには見えなかったけど」

シンドバッド「そりゃあそうだ、説得してやめるくらいならここまで大事になってねぇ。だから、シェヘラザードは国王を改心させるために説得じゃない方法を選んだんだ」

ラプンツェル「その方法ってなに?説得よりも効果がありそうな方法ってことだよね?」

シンドバッド「ずばり、国王におとぎ話を聞かせることだ」

キモオタ「ちょwwwおとぎ話ですかなwwwそんなんでうまくいくんですかなwww」

453: オプ速さん 2015/02/06(金)21:20:52 ID:Xke
シンドバッド「そうは言うがな、おとぎ話に限らず物語ってのは人の想いや感性を変える力があるんだぜ?」

キモオタ「それはわかりますぞ、以前司書殿に【マッチ売りの少女】を読み聞かせしてもらった時、子供たちは絵本の中の物語だとわかっていたにも関わらず、マッチ売り殿のタヒを悲しんでいましたからな」

ティンカーベル「うん、おとぎ話を聞いていろんなことを考えて・・・それで泣いてくれたんだよ。きっと可哀想な人に手助けしてあげようって思ってくれたはずだよ」

シンドバッド「だろう?そのシショって奴にも話の才能があったのかもしれねぇな。だが、シェヘラザードが国王へ聞かせたのはそういう本の類じゃねぇんだ、全部あいつが考えて作り出した物語だ」

ラプンツェル「お話を作る人?って言うことはシェヘラザードは物語の作者って事?」

キモオタ「そんなことがあり得るんですかな?シェヘラザードはこの【アラビアンナイト】の主人公、でありながら作者でもあると・・・?」

シンドバッド「そりゃああれだ、このおとぎ話はちょっと特殊でな?お前達は【アリババと40人の盗賊】とか【ヌレンナハール姫と美しい魔女】っておとぎ話を聞いたことねぇか?」

ティンカーベル「あ、アリババは図書館で読んだよ?あれもシェヘラザードが作者なの?」

シンドバッド「そうだ、シェヘラザードが国王に聞かせたおとぎ話のひとつだ。同じようにいくつものおとぎ話が集まってこの【アラビアンナイト】は構成されている。俺の【船乗りシンドバッドの冒険】もシェヘラザードが作者なんだぜ?」

454: オプ速さん 2015/02/06(金)21:39:54 ID:Xke
キモオタ「つまり・・・どういうことですかなwww」

シンドバッド「お前・・・聞いてたのかよ?だからな?シェヘラザードが作り出した【アリババと40人の盗賊】や【船乗りシンドバッドの冒険】をはじめとするいくつものおとぎ話を国王に聞かせて、やがて改心させるってのが【アラビアンナイト】の展開だな」

ティンカーベル「だからシンドバッドは当たり前のように別のおとぎ話のはずのこの世界にいるんだね?」

シンドバッド「そうだな、前にちょっとトラブルがあってな・・・空を飛ぶ手段のある奴らが交代で見張りするようにしてるんだよ、それがたまたま俺の時にお前たちが来たって訳だな」

キモオタ「ではとりあえずシェヘラザード殿は無事だということですなwww」

シンドバッド「そうだな。だからとりあえず安心しろ、飯を食い終わったらもう一度宮殿に行くからな?」

ラプンツェル「シェヘラザードと会うんだよね?だったらさ、私はシェヘラザードに作ったおとぎ話を聞いてみたいな、お願いしたら聞かせてくれるかな?」

シンドバッド「聞かせてくれるだろうよ、どっちにしろ国王へ聞かせる場に立ち会うことになるだろうしな」

キモオタ「そうと決まれば食べますぞwwwしっかり食べて備えておかねばいけませんなwww」

455: オプ速さん 2015/02/06(金)22:02:37 ID:Xke
王宮 国王の寝室

シェヘラザード「国王様、何かお飲みになりますか?」

国王「いや、結構」

シェヘラザード「そうですか、では私の分だけ失礼しますね」カチャカチャ

国王(シェヘラザード・・・少し見ぬ間に大きくなったものだな、幼い頃はよく宮殿に遊びに来ていたな)

──こくおうさまー!しぇはらざーどはこくおうさまとけっこんするー!

──国王様、お母様に教わって料理に挑戦してみました。味見してください!

──国王様、書庫から大昔の書物を見つけたんです。解読を手伝っていただけませんか?

国王(娘のいない我にはまるで本当の娘のような存在だった。しかし、いつから来なくなったんだったか・・・あれは確か・・・)

──国王様の悲しみはわかります。ですがこのような事はもうおやめください・・・!

国王(ああ、我が国中に娘を殺し始めた頃だったか・・・あの時追い返しておりますそれ以来だったな)

シェヘラザード「国王様?どうかなさいましたか?」

国王「・・・いや、少しウトウトしていたようだ。気にするな」

コンコンッ

側近「国王様、先程の旅人たちが来ています。いかが致しましょう?」

国王「キモオタ達か。約束だ、通してやれ」

456: オプ速さん 2015/02/06(金)22:05:36 ID:Xke
>>455
修正
国王(ああ、我が国中の娘を殺し始めた頃だったか・・・あの時追い返してそれ以来だったな)

457: オプ速さん 2015/02/06(金)22:09:29 ID:Xke
今日はここまでです

なかなか話が進まないな・・・
来週は祝日もあるし一気に進めたいところ、しばしお待ちを

ラプンツェルとアラビアンナイト編 次回に続きます