1: オプ速さん 2015/02/15(日)21:03:56 ID:rjx
裸の王様の世界 裸王の城

ザワザワ ワイワイ ガヤガヤ ザワザワ

赤鬼「随分と賑やかだな…本当にここは城なのか?警備も随分と手薄だし町民どころか旅人も大勢居るぞ?」

赤ずきん「そうね、他に城らしき建物は見あたらないから間違いなくここが裸王の城なのでしょうけれど…」キョロキョロ

赤鬼「オイラは少し自信がないぞ、実はそういう観光地なんじゃないのかここは」

赤ずきん「そこの兵士に聞いてみましょう。二人で考えていても仕方がないもの」

赤ずきん「…ねぇ、ひとつ訪ねたいのだけど…」

兵士「おや、なんだいお嬢ちゃん?僕に何か聞きたいのかい?」

赤ずきん「ここは本当に裸王の城で間違いはないのかしら?随分と賑やかだけれど」

兵士「ああ、君たちは旅人だね?よその国から来た旅人にはよく聞かれるよ。だけど正真正銘本物の城だよ。
裸王様は国民や旅人のために城を開放してるんだ、国内でも人気のスポットさ!城内には食堂や売店もあるよ。最近の人気おみやげは『裸王マッスルパイ』かな、サクサクしておいしいよ」

赤ずきん「…だそうよ。観光地というのもあながち間違ってなかったわね」

赤鬼「城が開放されるとは、裸王は懐が深いな…」
3: オプ速さん 2015/02/15(日)21:10:21 ID:rjx
これまでのあらすじ
キモオタは現実世界に住む人間よ
ある日妖精のティンカーベルと出会い、おとぎ話の消滅を防ぐために様々なおとぎ話の世界を旅してるの
遂に黒幕の正体を突き止めたのだけど私達にはまだ力が足りない
黒幕に対抗する手段を得るために私…赤ずきんと赤鬼は【裸の王様】の世界へ来たの
詳しくは過去スレを読んで頂戴

5: オプ速さん 2015/02/15(日)21:14:28 ID:rjx
兵士「もしかして君たち、裸王様への謁見希望者かい?それならこの用紙に必要事項を記入してくれるかい?」パサッ

赤ずきん「…謁見希望には違いないけれど、そんな事が可能なの?私達は事前に連絡もしていないのよ?」

兵士「ああ、今日は少し込み合ってるから待ってもらうことになるけど、それでもいいなら大丈夫さ。さぁ書いて書いて」

赤鬼「なにから何まで掟破りな王国だな…」カキカキ

赤ずきん「そうね。けれどここにいる人達はみんな楽しそうに見えるわ、国民も旅人もね」

赤鬼「裸王は国民に好かれているからこういう試みを行っても問題が起きないんだろうな……と、これでいいか?」カキカキ

兵士「えっと、アカオニさんとアカズキンさん。謁見目的は対談と。問題ないよ、これで受け付けておくね。ただ今からだと大体一時間半は待ってもらうかなー?」

赤ずきん「あら、随分と待つのね?けれど急に会いに来たのは私達だもの、おとなしく待ちましょうか赤鬼」

赤鬼「そうだな、こればっかりは慌てても仕方がないからな」

兵士「謁見以外の見学なら署名だけで出来るからおすすめだよ。向こうにベンチもあるし好きにくつろぐといいよ、売店で飲み物も売っているしね。オススメは『裸王ミックスジュース』フルーティでおいしいよ」

7: オプ速さん 2015/02/15(日)21:23:32 ID:rjx
裸王の城 ベンチ

赤ずきん「はい、飲み物買ってきたわよ。『裸王ミックスジュース』でよかったかしら?」

赤鬼「ありがとう。頼んでおいてあれだが…いや、オイラはなんでも構わないが、それ思い切り観光客向けじゃないか。もっと普通の飲み物でも良かったんだぞ?」

赤ずきん「あら、あなたは私が好き好んでこんな飲み物買うと思うのかしら?普通のジュース売ってないのよ、あの売店」

赤鬼「そうか…なんかすまん」

赤ずきん「謝るほどのことではないわ。でも次買うことがあれば、あなたが行って頂戴」チュー

赤鬼「おう。しかし、なんというか、あれだな…実はオイラは裸王に会うのが少し気まずいんだよな」ゴクゴク

赤ずきん「あら、どうしてかしら?裸王はとてもフランクで優しいわよ?以前少しだけ会話したけれど、いい意味で国王らしくない人だったもの。あなたが鬼だなんて気にしないと思うけれど」

赤鬼「ああ、それは話には聞いてるし心配してないんだ。だが前にオイラが鬼神に体を乗っ取られた時、裸王が鬼神の相手をしてくれたらしいじゃないか。おかげで鬼神…オイラは大暴れしないで済んだんだ」

赤ずきん「そうだったわね、もしかしてそれを気にしているの?」

赤鬼「そりゃあな、オイラ自身は記憶がないから初対面だけど、向こうは俺に殴られてる訳だしな。どういう顔して会えばいいんだか…」

鬼神『赤鬼、ソレナラバ我ガ代ワッテヤロウ。我ハ裸ノ王二借リガアルノデナ…クックック』

赤鬼「…いいや、必要ない。話がややこしくなるだけだ、お前が出てくるとな」ボソッ

9: オプ速さん 2015/02/15(日)21:29:06 ID:rjx
赤ずきん「気にすること無いわよ。あの時あなたが暴れていた事情を裸王は知っているのだから」

赤鬼「むむ、まぁ向こうはそんなに気にしていないのかもしれないが…しかし本意ではないにしろ暴力振るっちまってるからなぁ」

赤ずきん「気持ちは分かるけれど、私達はドロシー達を倒すための力を得なければならない。私は魔法具を、あなたは鬼神をコントロールする力を得る…それが当面の目的でしょう。だから私は魔法具の材料である鉱石を譲ってもらうためにここに来た…」

赤ずきん「そしてあなたは旅を通じて鬼神をコントロールする力を得なければならない。過去の過ちを気にしていたって今は仕方がないわ」

赤鬼「…そうだな、裸王にはきっちり謝っておく。グダグダ考えるのはヤメにしよう」

赤ずきん「そうしましょう。あなたも私も、お互い思い出したくないことが多いけれど、今は前に進むことを優先に考えましょう。過去を見つめて足踏みしていてもドロシーには勝てない」

赤鬼「うむ。しかし、今更だが…お前は年齢のわりに本当にしっかりしてるよな…」

赤ずきん「しっかりしていないと舐められてしまうのよ、私みたいな年齢の女の子が旅をしているとね。今はあなたが居るからそうでもないけど、以前は一人の時もあったもの」

赤鬼「そういえば、そうだったな…」

赤ずきん「けれどそれは今話すようなことではないわね。裸王に会うまで時間はあるのだし、次に向かう世界について少し打ち合わせしておきましょうか」

赤鬼「おう、候補はいくつかあるが一つに絞らないとな。えっと、そうだな…赤ずきんはどのおとぎ話がいいと思うんだ?」

赤ずきん「そうね、私は…」

・・・
・・

10: オプ速さん 2015/02/15(日)21:36:50 ID:rjx
裸王の城 謁見室前

若い旅人「裸王様、本日はお忙しいところ謁見していただきありがとうございました。それでは失礼いたします」ペコリッ

パタンッ

若い旅人(話に聞いていたとおり風変わりな国王だった、しかし本当に裸だったな。いやいや、でもいい土産話にはなったぞ。おみやげまで貰っちゃったし)ホクホク

若い旅人(今度は両親を連れて旅行にこよう。飯もうまいし宝石もうちの国の相場より安価だし治安もいいみたいだし、本当にいい国だなぁ…)

兵士「はい、では次の方どうぞー」

ファサ

セクシー美女「…やれやれ、ようやくだな。私は少し待ちくたびれてしまったよ」スッ

兵士「お待たせしてすいませーん。ではこちらへどーぞ」

セクシー美女「あぁ、では案内をお願いしようか」フフッ

若い旅人「……」ポカーン

若い旅人(はっ!つい見とれてしまった…。この国の人かな?あんなに美しい女性なかなかいないぞ…スタイルもいいし)

若い旅人(それにどことなく気品と荘厳さを備えていて、もしかして王族なのかも…)

若い旅人「それにしても、なんだか思わず引き込まれてしまうような不思議な美しさの女性だな…」

11: オプ速さん 2015/02/15(日)21:45:33 ID:rjx
謁見の間

大臣「おお、お待ちしておりました。お初にお目にかかります、私はこの国の大臣、そしておとぎ話の世界の事情を知る者です。今後ともよろしくお願いします」スッ

セクシー美女「ああ、お互い長いつき合いにならなければいいのだがな…こちらこそ今後ともよろしく頼む、そして君の協力に感謝する」

大臣「本来ならばお待ち頂かずに謁見して頂きたかったのですが…」

セクシー美女「気にするな。アポイントメントを取っていなかったのだからな、急に押し掛けた私に責任があるというものだ」

大臣「いえいえ、貴方が今回の件について指揮をとってくださるなら安心です。我々も出来る限りの協力は致しますので…では国王がお待ちです、どうぞこちらへ」スッ

ドドドドド

裸王「ンンッ……マーッスルウェルカムッ!!ようこそ我が国へ!私は国王の……裸王であるっ!!」マッスルポーズ

セクシー美女「…初めまして、本日は謁見に応じていただき感謝しております裸王様。申し遅れました、私の名は……」

裸王「うむ!お主のことは大臣から聞いておる。お互い王族同士、形式ばった対応も必要かもしれんが堅苦しいのは無しにしようではないか女王よ!私も堅いのは苦手でな、そうしてくれると助かるぞ!」ムキムキッ

セクシー美女「…そういうことなら、やりやすいようにさせて貰おう。私も堅苦しいのは苦手なんだ。感謝するよ、裸王」フフッ

12: オプ速さん 2015/02/15(日)21:55:03 ID:rjx
セクシー美女「まず私の世界もこの【裸の王様】の世界も実はおとぎ話の世界であり、同じような世界が無数に存在する。その事を裸王は知っているだろうか?」

裸王「うむ。実は以前この国…いや、このおとぎ話の世界は消滅の危機にあったのだ。それを私の友達が阻止してくれた、その後に大臣から聞いたよ。その時は驚いたが今ではしっかりと理解できているぞ!」ムキムキッ

セクシー美女「そうか。では早速本題に入らせて貰おう、近頃立て続けにおとぎ話の世界が消失している。私は現実世界のおとぎ話離れが原因とも思ったが、実際は意図的に消滅に荷担している奴が居る事を突き止めた」

裸王「うむ!おとぎ話の世界と言えどもその大半は事情を知らず平和に過ごして居るものだというのに、つくづく許せぬ!」ババーン

セクシー美女「私も同じ意見だ。だがこれほどの危機が迫っているというのにおとぎ話の中にはそのことを知らない者も多い、そこで私が様々な世界を回って警告しているのだ。悪意を持っておとぎ話を消している者がいることをな」

セクシー美女「知っているのと知らないとでは対応力に差がでる。もうこれ以上易々とおとぎ話を消させるのはこちらとしても避けたいからな」

裸王「うむ、おとぎ話を意図的に消している輩から物語を守るという女王の心意気は伝わった!だが私にそのことを話したという事は何か協力して欲しいのではないか?」

セクシー美女「察しがよくて助かる。有事の際の協力者は多い方がいい、裸王はおとぎ話の中でも屈指の身体能力を持っているだろう?その力を貸して欲しいというわけだ。常にと言う訳じゃないさ、この先本格的に敵と対峙することになった時に…という事になるな」

裸王「うむ!もとより我が友も同じ目的を持っておる、そういうことならば喜んで協力しようではないか!我が筋肉も新たな活躍の場を得て喜んでおるわ!」ムキムキッ

15: オプ速さん 2015/02/15(日)22:09:32 ID:rjx
セクシー美女「助かるよ、裸王が話の分かる王で。門前払いを食らったらどうしようかと思っていたのでね」フフッ

裸王「我が筋肉を評価しての頼みだからな!断るはずがなかろう!だが女王よ!私は一つ気になっていることがあるのだ!」ムキムキ

セクシー美女「へぇ、気になっていることとは?」

裸王「女王は随分と露出の多い洋服を着ているようだが」

セクシー美女「ああ、確かに少し露出が多いかもしれないな。だが理由があるんだ、これはだな……」

裸王「いいや!皆まで言うでない!わかっているぞ、この裸王と肉体美対決…つまり筋肉自慢勝負がしたいというのだな!?」マッスル

セクシー美女「いや、そのような思いは一切無いが」

裸王「ハッハッハ!筋肉とはそれすなわち世界共通語!自らの筋肉のすばらしさを周囲に見て貰いたいという気持ちに国籍や性別は関係ない!」ムキムキッ

セクシー美女「……」

裸王「筋肉に優劣など無い、だが敢えてそれを決めねばならぬ時もある!我が筋肉とお主の筋肉…どちらが美しいかはっきりさせようではないか!」ババーン

大臣「…残念ですが裸王様。そろそろお時間ですので」

裸王「なんと!ではこの勝負はお預けという事か…!」マッチョ

セクシー美女「フフッ、それではこれで私は失礼する。裸王、今後あなたの力を借りるときが来るだろう、その時はよろしく頼む」フフッ

裸王「うむ、協力するぞ!それまでにお互い筋肉に磨きをかけておこうではないか!」ハッハッハッ

・・・

17: オプ速さん 2015/02/15(日)22:19:19 ID:rjx
裸王の城 ベンチ

・・・

赤ずきん「さぁ…次に行くおとぎ話は決まったけれど、まだ一時間もあるわね。先に買い出しを済ませておいた方がいいかしら?」

赤鬼「うーん、だが一時間でばたばた支度して忘れ物でもしちまったら大変だぞ?」

赤ずきん「そうね、次のおとぎ話ではしばらく買い物が出来なくなる可能性がありそうだもの。ここでしっかりと準備しておかないとね」

赤鬼「そうだな。しかし容易く素材を譲って貰えればいいけどなぁー。必要な素材…ウロコだったか?しかし、ウロコなんてどれも同じに思えるが、わざわざそこのおとぎ話に行かなきゃならんってのは大変だな」

赤ずきん「透き通っていて強度と柔軟性を兼ねていることが大切だと魔法使いのメモには書いてあるわね。なんでもいいというわけではないのでしょう」

赤鬼「素材が限定されているからこそ価値のある魔法具になるってことか」

赤ずきん「そうでしょうね。だけど…それよりも私達は覚悟しておかなければいけないわよ」

赤鬼「覚悟?どうした改めてそんな事を言って」

赤ずきん「私達がこれから行くおとぎ話は【マッチ売りの少女】のような悲しい結末を迎えるのよ。ウロコだけ受け取ってさようならというわけにもいかないでしょう?そのおとぎ話がキチンと結末を迎えるまで残るとなれば、悲しい結末を目の当たりにすることになるわよ」

赤鬼「あぁ…マッチ売りのおとぎ話の時は辛かったもんなぁ…いや、本当に辛かったのはオイラ達よりキモオタ達か…」

18: オプ速さん 2015/02/15(日)22:32:29 ID:rjx
赤ずきん「キモオタ達だってあの悲しい結末と向かい合ったのだもの、私達だけ逃げるわけにはいかないわ。それに彼女のウロコでなければ魔法具の材料にはならないのなら、避けて通れるものではないわね」

赤鬼「しかしなぁ、鬼のオイラが言うのもなんだが本当に居るのか?魚のように水中を自在に泳ぎ、海底に文明を築く種族なんて…にわかには信じられないぞ」

赤ずきん「あら、存在するわよ。美しい人魚の悲恋の物語…それがこれから私達が向かうおとぎ話【人魚姫】だもの」

赤鬼「人魚の噂はオイラ達の世界でも聞いたけどな、だがどれもこれもふわふわしてるっつうか現実味がない内容だったからな。人魚の肉は万病に効くとか高値で売れるとかそういう類のな」

赤ずきん「どちらにしても、準備はきちんと整えなければね。人魚姫が海上に出てくるまで待たなければ会うことすら出来ないもの」

赤鬼「オイラ達が海底に泳いでいくわけにもいかねぇしなぁ」

ザワザワ ザワザワ

赤ずきん「…何かしらね、急に騒がしくなったけれど」

赤鬼「城の方だな、なにかあったのか…?」

20: オプ速さん 2015/02/15(日)22:41:22 ID:rjx
ザワザワ ザワザワ

セクシー美女「あぁ、それにしてもこの国は暑いな…薄着してきて正解だったよ」パタパタ

セクシー美女「どこかで冷たいものでも飲みたいところだな…」

ザワザワ

「おい、あれ見て見ろよ。すげー美人だぜ」
「なんだあの乳…!暴力的だ!」
「くぅー、あんなナイスバディ美女とお近づきになりたいぜ!」

赤鬼「どうやらすごい美人が居るって皆が騒いでただけみたいだな。どれどれ、確かにありゃあ騒ぎになるのもわかるな」

赤ずきん「……」グイッ

赤鬼「ちょっと待て!なんでマスケットに巻いてある布を取ったんだ!?」

赤ずきん「念のためよ。布を巻いたままだと撃てないでしょう?」

赤鬼「だからそれがおかしいんだよ!なんで撃とうとしたんだよ」

21: オプ速さん 2015/02/15(日)22:45:09 ID:rjx
赤ずきん「女の人を外見や胸で判断するのは女の敵…そういう男は狼だってママに教わったのよ」

赤鬼「う…まぁわかるけどな、あれくらいは許してやってくれ…美人をみるとざわついちまうのは男のサガって奴なんだよありゃあ…」

赤ずきん「大丈夫よ、さすがにこれくらいで撃ったりしないわよ。でもいざとなったら…あの女性が困っていたら助けてあげなければならないでしょう?」

赤鬼「お、おう。お前はあくまであの女のためなんだろうけど一緒にいるオイラの身にもなってくれ、びっくりするじゃないか」

赤ずきん「それは悪いことをしたわね。あの男達があの女性に危害を加えなかったら私は引き金を引かない。だから安心しなさい」

チャラ男「へい彼女ー!キミ可愛いねぇー!俺と一緒に遊ばない?」ヘラヘラ

ガチャッ

赤鬼「おい、赤ずきん落ち着け!」ガシッ

22: オプ速さん 2015/02/15(日)22:49:35 ID:rjx
セクシー美女「ああ、もしかしてキミは私に声をかけているのか?」

チャラ男「ハハハッ、お姉さん美女だから声かけちゃったよー!どう?一緒に冷たいものでも飲まない?」ヘラヘラ

セクシー美女「いや、結構だ。見ず知らずのキミと一緒にカフェに入る理由がないからな」フフッ

チャラ男「そんなこと言わずにさ!ほら、俺がおごってあげるからさ!一緒に行こうよ、すてきなカフェ知ってるんだ俺!お姉さんもカフェ行くんでしょ?」ヘラヘラ

セクシー美女「しつこいなキミは…」

チャラ男「ほらほら!俺が案内してあげるからさ!って俺も旅人だけどさ(笑)せっかくなんだからさ!二人で旅の思いで作ろうよ!ほら!自分で言うのもなんだけど俺ってなかなかイケメンだからさ、キミに釣り合うと思うんだよねー」ヘラヘラ

セクシー美女「へぇ、キミが私と釣り合う…ねぇ?」


チャラ男「そうそう!なかなかお似合いだと思うんだよね!って自分で言っちゃう(笑)」ヘラヘラ

セクシー美女「そこまで言うならキミに付き合ってやろう。だが私とひとつ賭けをしてみないか?もしも私を捕まえることが出来たら…そうだな、一晩キミの奴隷になってやると言うのはどうだ?」フフッ

チャラ男「なっ!?おいおい、俺は大歓迎だけどさぁ、お姉さん意味分かって言ってんの?」ヘラヘラ

セクシー美女「ああ、もちろん。私を捕まえたら朝までベッドの上でキミの望むことをしてやると言っているんだ。ただし…」スッ


パキパキッ…パキパキパキパキッ……!


赤鬼「な、なんだありゃあ…!」

赤ずきん「男が一瞬で凍りづけに…!」

チャラ男「」カキーン

セクシー美女「キミの全身を覆う氷を全て溶かすことが出来たら…だがな?フフッ、もう私の声は聞こえていないか」フフッ

23: オプ速さん 2015/02/15(日)22:54:45 ID:rjx
「や、やべぇ!ナンパに行った奴が凍ったぞ!俺行かなくて良かったぜ」
「無茶しやがって!おい!病院に運んでやれ!」
「気をつけろそっとだ!そっと運んでやろう!」ガコッ

セクシー美女「フフッ、気をつけた方がいいぞ?落としたら氷ごとその男も木っ端微塵に砕けるかもしれないぞ?」フフッ

ウワアァァ!オイキヲツケロ!

赤ずきん「一瞬で人間を凍り付けにするなんて…」

赤鬼「…おや?もしかして…」ジッ

赤鬼「お、おい。なんでか知らないがあいつがこっちに来るぞ!?」

カツカツカツッ

セクシー美女「赤いずきんの女の子…キミはもしかしておとぎ話【赤ずきん】の主人公、赤ずきんちゃんなのか?」フフッ

赤ずきん「私を知っているのね…?」ジリッ

27: オプ速さん 2015/02/15(日)23:04:09 ID:rjx
セクシー美女「知っているもなにも、キミにはずっと前から会いたいと思っていたんだよ」サワッ

赤ずきん(この人の手…ものすごく冷たい……!)

セクシー美女「フフッ、やはりキミくらいの年齢の子供は可愛いな。私の宮殿で留守番をしているカイと同じくらいか。やはり女の子の肌のほうが柔らかいのだな」スリスリ

赤ずきん「くっ…!ほおずりするのはやめて頂戴!そんなに強い力じゃないのに振り払えない…!赤鬼…!」ジタバタ

赤鬼「お、おい!赤ずきんが嫌がってるんだ!放してくれ!」グイッ

セクシー美女「そうだな、キミが凍りづけになってしまうといけない。私はキミの可愛らしい姿を凍りづけにして永久に残すのも素敵だと思うが、さすがにキミが可愛そうだ」フフッ

赤ずきん「…その冷たい肌、瞬く間に凍り付けにする能力…宮殿にカイという子供がいるとも言っていたわね…あなた」

セクシー美女「ああ、キミは察しもいいんだね。褒めてあげよう。私は頭のいい子供も大好きなんだ」フフッ

赤ずきん「……子供扱いするのはやめて頂戴、雪の女王」キッ



雪の女王「フフッ、君達とはいつか会ってみたかったんだ。ここだと目立ってしまう、どこかカフェに入ろうじゃないか。私がご馳走してやろう。さぁ行こうか赤鬼、そして赤ずきんちゃん」フフッ

28: オプ速さん 2015/02/15(日)23:08:10 ID:rjx
今日はここまでです

今日から人魚姫編です
書きため方式でいくから間隔あくけど今回も付き合ってくれたら嬉しい

【雪の女王】はディズニーの少しも寒くないアレとは別物のおとぎ話です。おとぎ話の内容は次回にでもざっくり説明します。とりあえず凄まじい氷結能力持ってます。

人魚姫編 次回に続きます。